RSS講座認定審査手続きの案内
RSS認定教育プログラムとは?
RSS認定講座とは、AI及びデータサイエンスの基礎科目である統計・数理に関する講義を、審査を通して王立統計学会(RSS)の定める水準を満たした講座を公的に認証する国際的な制度です。
RSSは1834年に英国で発祥した団体で、AI発展の数理的な基盤ともなる統計学の現代的な発展の礎として重要な役割を果たした団体です。RSSの教育基準はデータ分析教育の標準として欧州及び米国、日本や香港を含むアジア圏にも影響を与えています。また、データ分析に関する世界最大の団体である米国統計学会(ASA)とは姉妹団体の関係があり、後述するデータ分析従事者の相互互換認定制度を有しています。
RSSは世界で1万人を超えるデータ分析従事者のための職能団体として、データ分析に関する国際会議(RSS International Conference)や雑誌(Journal of the Royal Statistical Society)の発行機関として、政府や国連を始めとする公共団体への統計分析の提供といった慈善活動の提供者として今日も活動しています。
データ分析従事者の認定制度
王立統計学会(RSS)及び米国統計学会(ASA)はデータ分析従事者の認定制度を有しています。
データ分析に関連する専門家により実施され、その講義の内容や実施方法を監修された認定講座 (もしくはその認定講座に準ずる講座)を一つ受講し、かつ1年間の関連分野の実務経験を経て、認定データアナリスト (Data Analyst)と認定しています。
大学や研究機関による、主に学位・大学院修士課程の講座で、データ分析の科目を広範に含むものを認定学位と呼び、認定学位(もしくはその認定講座に準じる学位)を修了した卒業者を認定統計家 (Graduate Statistician)と認定します。また、2年間の関連分野の実務経験を併せ持つことで認定データサイエンティスト (Data Scientist) の称号を得ることができます。
同団体の最高位に位置する認定が公認統計家 (Chartered Statistician) となり、これは認定学位及び5年間の関連分野の実務経験及び、自身より経験を積んだ専門家の推薦を得られることで認定を受けられます。上級データサイエンティスト (Advanced Data Science Professional)はこれと同格の認定で、データ分析やAIの領域に同じく5年間の実務経験を持つことで称号を得られます。
教育講座認定制度
教育講座の認定には学位認定及び講座認定の二種があります。
講座認定は学位認定から派生されたもので、学位認定を構成する各授業が対象となります。
認定学位・講座の要件はいずれも抽象度が高く、時代や技術背景の変化に変わらずデータ分析者が追求すべき技能や規範を定めています。
学位認定
RSSの定める学位認定は、修了した学生が
- 頻度主義とベイズ主義の方法論を用いたデータ分析
- 関連する確率論を含むその論理的基盤
- 系統的なデータ収集、管理、および保存の原則
の知識を有し、尚且つこの知識をソフトウェアやプログラミングスキルと組み合わせて
- 様々なプロセスや課題を記述・理解するために適切なモデルを構築、評価、改善
- それらから適切な推論を導出
- 専門家や一般の聴衆に対して、実質的な結果とそれに内在する不確実性の性質を効果的に伝達
することができ、加えて自身の業務が個人の権利に及ぼす影響を認識し、常に最高の倫理基準を維持する意識を持っていること
講座認定
RSSの定める講座認定は、学位認定の能力習得に関わる一つまたは複数の内容を含むことが条件になります。これは学位プログラムを構成する一つの授業に該当する概念です。
審査・認定の流れ
審査の申請希望の講座をご選択いただきます。この内容を元に簡易審査を実施し、本審査によって認証が得られるか無償で事前に確認させていただきます。
実際に認証が受けられる可能性が高い場合、正式に見積もりを発行いただき、本申請の手続きにお進みいただけます。本申請の手続きは3ヶ月程度要します。
認証が完了した場合、その対象年度を含め認証は5年間有効になり、この期間中再度審査は発生いたしません。
I. 簡易審査と見積り
(1週間程度)
対象講義を簡易審査し、見積りします。審査落ちを未然に防ぐことができ、またこの段階では一切費用は発生しません。
II. お支払いと審査
(3ヶ月程度)
審査書類の整理を行い、審査を実施します。審査ではRSS審査部2名の審査及び最終審査の二段階で実施されます。
III. 認定取得と年度更新
(認定は5年間)
認定は審査が修了した学術年度から即座に有効です。また認定は5年間有効です。その後の更新は再審査が必要です。
講座認定をご検討ください
講座認定を受けることで、講座の内容がAI及びデータ分析の学習における国際的な基準に則っていることを示すことができ、学習の機会を探す学生にとって決めてとなる信頼感を得ることができます。
また、修了した学生は国際基準に則った講座を修了できるだけでなく、更に上位の認定取得へ向け、生涯学習の機会を探したり、卒業後の専門家としての指針を得ることができます。
一般社団法人Big Data LabはRSSの認定団体として、また認定講座の審査を請け負っています。認定講座を監査した実績から、RSS審査部と共に、審査で重視される非公式の観点を網羅しています。簡易チェックを通して無償の事前審査を実施させていただいているので、是非ご活用ください。
海外での事例
世界的名門として知られ、世界大学ランキング上位校である「インペリアル・カレッジ・ロンドン」(世界9位*) 、「UCL」 (世界22位*)及び「ロンドンスクール・オブ・エコノミクス (世界50位*) 」はAIやデータサイエンス、統計学の学位を複数提供しており、RSSの講座認証を受けることで多国籍の学生を受け入れる際の差別化と、シラバスの内容の信頼性を担保しています。
*World University Rankings 2025 Time Higher Education より
費用とお支払いサイト
教育講座の認定には、講座認証と学位認証の二種類の選択肢があります。
講座認証は、短期プログラムや集中講義、オンライン形式で開催される一つの授業が認証の単位で、5つの授業まで30万円(税抜)/年にて申請が可能です。
学位認証は、大学や研究機関の提供する4年制の学位プログラム及び2年制の修士プログラムが対象になり、講座認証と同様5つのプログラムまで60万円(税抜)/年にて申請が可能です。
また、講座や学位修了した学生が認証を希望した際、修了した学生数に応じて一人当たり3万円の個人認証費用が発生します。
審査手続きはお任せください
英国滞在中に王立統計学会(RSS)とのご縁をいただけ、私自身RSS公認の統計家としてだけでなく、国内唯一の提携団体として活動して一般社団法人Big Data Labを運営しています。弊社は「データが理解と意思決定の中枢にある世界の実現」というミッションを実行するため、教育の認証事業、データ分析・AIシステム開発・コンサルティングの受託事業を始め、データ分析従事者のための副業・インターンシップ業務の斡旋、及び広報活動等の活動に従事しています。
認証された講座の修了を通して国際的に認知・評価を受けることで、かつて私自身もそうであったように、受講生にとって大きな自信となると同時に、専門家としての責務を負い、会社とは異なる専門集団のコミュニティに属せることは、生涯の財産となりました。是非認証審査をご検討ください。
国内での事例
ピープルドット データサイエンティスト育成講座
日本初のビジネスパーソン向けのデータサイエンススクール datamix を運営するピープルドット株式会社の「データサイエンティスト育成講座」の監査を行い、国内初の認定講座として承認されました。
大阪大学 数理・データ科学教育センター 数理人材育成協会 リカレントプログラム
大阪大学 数理・データ科学教育センターを主体として設立された、数理人材育成協会の社会人向け学習プログラムであるリカレントプログラムの内、「入門コース」「基礎コース」が国内初のオンライン講座として講座認定を受けました。