データサイエンティストの育成方法を解説! 研修の内容や期間、教育コストは?
DX推進に伴いデータサイエンティストの育成を検討し始めた組織も多いでしょう。ただ、データサイエンティストの育成が初めてだと、どのように教育を進めればよいのか迷ってしまいがちです。育成にかかる時間や費用なども気になるところでしょう。そこで今回はデータサイエンティストの育成方法をご紹介するとともに、研修の内容や教育コスト、期間などを解説します。育成費用を少しでも抑える方法にも触れているので、予算が限られている場合も参考にしてみてください。
- データサイエンティストの育成方法を解説! 研修の内容や期間、教育コストは?
- データサイエンティストの育成方法
- 人材育成サービスを利用する
- スクールの講座を受講してもらう
- オンライン研修を受講してもらう
- eラーニングを導入する
- 資格取得を推奨する
- 認証制度に申請する
- データサイエンティストを育成するときの研修の内容
- データサイエンティストの育成にかかる期間
- データサイエンティストの育成にかかる費用
- データサイエンティストの育成コストを減らす方法
- 政府の無料育成サービスを活用する
- まとめ
データサイエンティストの育成方法
データサイエンティストの育成方法にはさまざまな手段があり、目的や指導者、育成対象者の状況などを考慮して選ぶ必要があります。まずは、データサイエンティストの育成方法について解説します。
人材育成サービスを利用する
データサイエンティストを育成するには、データサイエンスの専門企業の人材育成サービスを利用する方法があります。
たとえば、専門企業にデータサイエンスの研修のカリキュラムを監修してもらったり、講師を引き受けてもらったりすることが可能です。
演習やグループワーク時のスキルや取り組み姿勢などまでフィードバックしてもらえば、DX人材の抜擢も検討しやすくなります。
組織の課題に応じてカスタマイズしてもらえる人材育成サービスもあり、人材育成をしながらデータ分析により業務を改善することもできるでしょう。
スクールの講座を受講してもらう
データサイエンスのスクールは、個人だけでなく法人に対しても定期的に開講することがあります。データサイエンティストとして育成するメンバーにスクールの講座を受講してもらう方法も検討できます。
スクールでは、プログラミングの基礎や機械学習などデータサイエンスに必要なことを学ばせます。自力でデータ分析が行えるレベルまで引き上げてもらうことも可能です。
データ分析のプロジェクト発足に関わるメンバーや、データ管理システム導入に関わるメンバーなど、必要なメンバーだけにデータサイエンスを学んでもらいたいときに検討しやすいです。
オンライン研修を受講してもらう
育成対象のメンバーが忙しく、データサイエンスのスクールに通って受講する余裕がない場合は、オンライン研修で育成してもらうことも検討可能です。
オンラインで学習できる教材を使わせてもらえるだけでなく、ビデオ通話やチャットなどを活用して研修してもらえます。
会場に移動する必要がないので、受講の負担を減らせます。交通費の支給を削減したい場合にもおすすめです。
eラーニングを導入する
eラーニングとは、electricとLearningを組み合わせた言葉であり、電子的な学びを意味します。インターネットを通してパソコンやスマートフォン、タブレットなどで学習する方法として知られています。
たとえば、データサイエンティストに関するコンテンツを提供するeラーニングサービスがあります。集合研修と違って会場の手配や資料の配布、日程調整などは必要ありません。組織のメンバーが都合の良いタイミングで知識やスキルを習得できるのが便利です。
テスト機能に対応したeラーニングサービスもあり、メンバーがデータサイエンスについて適切に学べているかを把握するのにも役立ちます。
多くのメンバーを効率的に育成したい場合や、個別に教育効果を評価したい場合などに検討してみましょう。
資格取得を推奨する
データサイエンティストの知識・スキルをメンバーに習得してもらうには資格取得の推奨も効果的です。
データサイエンティストに関する資格はさまざまあり、リテラシーレベルの実務能力を磨くのに適した資格や、統計・数学、機械学習を学べる資格などがあります。
資格を取得させれば対外的にもデータサイエンティストの存在を社外にアピールしやすくなり、事業の取引も有利に進められるようになるでしょう。
データサイエンティストの育成に役立つ資格については下記の記事で詳しく解説しているので、どのような資格を推奨すべきか迷っている方はぜひご覧ください。
データサイエンティストの資格6選! 難易度や勉強時間、評価なども紹介
認証制度に申請する
データサイエンティストとしての経験を積んだ人材をさらにレベルアップするには関連する認証制度の申請を推奨する方法も効果的です。
たとえば、データアナリスト認証登録では、英国王室認定団体である王立統計学会が定める水準を満たしたデータ分析の専門家であることを証明できます。
認証を受けるには、認定講座や認定講座に準ずる教育水準の講座を修了しなければならないほか、実務経験や記述能力、経歴、人物、倫理規範などさまざまな観点での基準を満たさなければなりません。
社外に誇れるデータサイエンティストを本格的に育成したい場合に認証制度の申請を推奨してみましょう。
ビッグデータラボはデータアナリスト認証事業を行っています。データアナリストの認証制度について詳しく知りたい方はぜひお問い合わせください。
データサイエンティストを育成するときの研修の内容
データサイエンティストを育成するときにどのような研修を行うべきかイメージが湧かない方もいるでしょう。
参考にデータサイエンティストを育成するときの研修の内容について具体的なテーマをリストアップしてみます。
- データを読むときの基本的なルール
- ビジネスにおける多変量解析(複数のデータの関連性を分析する手法の総称)の活用
- プログラミング言語Pythonを用いたデータ分析の基礎
- 統計解析による予算最適化
- データの可視化手法と可視化でやってはいけないこと
- データ分析に必要な微分、ベクトル、行列といった数学の知識
- ビッグデータの分析と活用
データサイエンティストの育成研修では、解析手法やプログラミング言語、数学の知識などを学ばせる必要があり、内容は新人研修や中堅社員研修などとは違って専門的です。
必要に応じてデータサイエンスに詳しい組織から支援を受けることも検討しましょう。
データサイエンティストの育成にかかる期間
データサイエンティストの育成にかかる期間は目的によって異なります。
データサイエンティストの初歩的な資格を取得させるために育成を行う場合であれば、10時間程度の教育で済ませることもできます。難易度の高い資格であれば100時間~500時間程度の時間が必要になることもあります。
本格的にデータサイエンスとビジネスの経験が結びつくように、DXデータ人材としての育成を目指す場合であれば、1年近くの期間にわたる専門的な教育が必要です。
データ分析のプロとしての認証を受けさせるには認定講座の受講だけでなく、統計に関する役職で1年以上の実務経験が求められることもあります。データサイエンスの基礎を学ばせるよりも長期間の育成が必要です。
データ分析の専門家として認証を受けさせるときの基準については下記のページでご確認ください。
データサイエンティストの育成にかかる費用
データサイエンティストの育成にかかる費用は手段によって変わります。
たとえば、一般的な分析プロセスの理解・習得を目指すパッケージ研修であれば、10名程度で150万円以上の費用が発生する事例があります。
eラーニングであれば、データサイエンスのリテラシーが学べる10時間程度の動画を、1人あたり1万円程度の料金で視聴できることもあります。
いずれの手段においても、規模の大きい組織ほど教育コストは膨れ上がるでしょう。
費用対効果を慎重に考えたうえで育成手段を選ぶことが重要です。
データサイエンティストの育成コストを減らす方法
データサイエンティストの育成にかかる費用を知り、コストの高さに驚いた方もいるかもしれません。
予算が限られているのであれば、育成コストを減らす方法も試してみましょう。
政府の無料育成サービスを活用する
近年、DX推進の流れを受け、政府の主導でIT人材の育成が後押しされています。データサイエンティストの育成も例外ではなく、政府が育成に役立つサービスを提供しています。
無料で利用できるサービスもあるので、データサイエンティストの育成コストを減らすのに活用しない手はありません。
たとえば、総務省統計局ではデータサイエンス力の高い人材育成に向けて、データサイエンス・オンライン講座を開講しています。
「社会人のためのデータサイエンス入門」講座では、データ分析に必要な統計学の基礎や、統計データを用いた分析事例、時系列データの見方、グラフを作るときの注意点など、データサイエンティストに必要な知識を学べます。
今後も政府によるデータサイエンティスト育成サービスが登場するかもしれません。動向に注目して役立ちそうなサービスが見つかれば、メンバーに受講を推奨してみてはいかがでしょう。
まとめ
本記事ではデータサイエンティストの育成手段や、研修内容のテーマや教育にかかる期間、コストなどを解説しました。
データサイエンティストを育成する手段には、人材育成サービスやスクールの講座受講、eラーニングなどさまざまな方法がありました。
育成にあたって、データの読み方やデータ分析に必要なプログラミング言語、統計、数学など、幅広い専門知識を学ばせる必要があります。
リテラシーレベルの教育であれば短期間で育成できますが、本格的なDX人材やデータ分析のスペシャリストを目指すのであれば長期間にわたって育成しなければなりません。
組織で求められるデータサイエンティストの役割を明確にして、育成手段や研修内容、期間を検討しましょう。
教育の規模によっては100万円以上のコストが発生するケースもあります。予算が限られている場合は政府が無料で提供する講座の活用も検討してみましょう。