AIエージェントとは?生成AIとの違いや理解に役立つ本、活用事例、関連ツールなどを紹介!
ビジネスの仕組みを大きく変える概念としてAIエージェントが注目されています。身近になった生成AIと混同しがちですが、極めて大きな違いがあります。AIエージェントについて理解を深めることで業務効率化のヒントも得られるでしょう。今回は、AIエージェントの概要をはじめ、生成AIとの違い、関連ツールなどをご紹介します。AIエージェントの理解に役立つ本も掲載しているので、気になる本があればぜひ読んでみてはいかがでしょう。
AIエージェントとは?
そもそもエージェントとは、代理人や代理店、仲介業、スパイなどを意味する言葉です。要するに自分の代わりに大変な作業や複雑な作業を代行してくれる存在をさします。
AI技術が発展していく中で、AIもエージェントの役割を果たせるようになってきました。
AIエージェントとは、人が設定した目標に応じてデータの収集、タスクの決定などを行い、目標を達成するプログラムです。
詳細な命令を逐一与えなくても、能動的に必要な作業を判別して処理してくれます。
部下に仕事を頼むような感覚でタスクを任せられるのが便利です。不満をいわれることもありませんし、人件費も発生しません。AIエージェントを利用すれば業務の生産性を大幅に高められるでしょう。
AIエージェントと生成AIの違い
AIエージェントと生成AIは、いずれもAIによってサポートが受けられる点は共通していますが、さまざまな違いが見受けられます。生成AIと比較することでAIエージェントについてもさらに理解が深まるでしょう。
引き続き、生成AIの意味をおさらいしてから、AIエージェントとの違いを解説します。
生成AIの意味
生成AIとは、入力された条件、要望を満たす文章や画像、動画、音声などを出力するAIシステムです。ジェネレーティブAIとも呼ばれています。代表的な生成AIとしてはChatGPTが有名です。
生成AIに入力文にあたるプロンプトを打ち込むと、知りたい内容や求めるデザイン、コンテンツなどを学習済みのデータをもとに素早く生成してくれます。
望んだ生成結果が得られない場合でも、プロンプトを入力して修正させることも可能です。
ジェネレーティブAIやChatGPTについて詳細を知りたい方は下記の記事もぜひお読みください。
ジェネレーティブAIとは?代表的なモデル・サービスは?業務への活用方法・注意点を紹介!
ChatGPTとは?何ができる?ウソ回答にならない使い方解説
違い1.自主性の有無
AIエージェントと生成AIは自主性の有無が大きく異なります。自主性とは指示されなくてもタスクに対して自らアクションを起こす性質です。
AIエージェントは、提示された目標に対して自律的に計画を立てて処理を実行する性質があり、自主性を有しています。会議にAIを実際のメンバーのように参加させて、能動的にアイデアを提案してもらうことも可能です。
その一方で生成AIは、指示された内容を出力できますが、プロンプトが入力されるまでは文章や画像などを表示してくれません。会議中に生成AIツールを手元に準備しても、プロンプトを入力して情報を出力させる必要があります。
違い2.できること
生成AIでできることは、その名の通り生成に関する処理全般です。
文章や画像、プログラムコード、アイデアなど、幅広い対象を表示してくれます。必要な情報、コンテンツを表示させたいときに便利です。
その一方でAIエージェントでできることは、業務効率化に関する処理全般です。
調査業務や予約業務、データ解析業務、問い合わせ対応業務などを任せられます。人手不足で業務を自動化したいときに重宝するでしょう。
違い3.タスクの実行
AIエージェントは要望された情報を表示するだけでなく、ユーザーが期待するタスクまで実行してくれます。
たとえば、生成AIに指定の外国に行く方法を聞くと、飛行機や船という選択肢を提案するでしょう。その点、AIエージェントは予算や目的、出発日時などをヒアリングしながら、最適な交通手段を提案して予約まで実行してくれます。
秘書のようにタスクを実行してくれる点は、AIエージェントの最大の強みです。
違い4.ツールとの連携
AIエージェントは各種ツールと連携して業務を自動化することができます。たとえば、主流となっているオンラインストレージサービスと連携することが可能です。
その一方で単体の生成AIツールは、基本的にほかのツールとの連携に対応していません。「Wordファイルを新規作成してデスクトップに表示してください」と命令すると拒否され、最終的にWordソフトの起動方法について説明し始めます。
したがって、ツールとの連携に優れたAIエージェントのほうが、生成AIよりも高度な処理に対応できるといえるでしょう。
比較表
AIエージェントと生成AIの違いが一目でわかるよう、ここまでの情報をもとに比較表にまとめてみます。
比較項目 | AIエージェント | 生成AI |
自主性 | あり | なし |
できること | ・調査業務
・予約業務
・データ解析業務
・問い合わせ対応業務など | ・文章の生成
・画像の生成
・プログラムコードの生成
・アイデアの生成など |
タスクの実行 | できる | できない |
ツールとの連携 | 可能 | 基本的には不可 |
AIエージェントは自主性や、タスクの実行力、ほかのツールとの連携性を持つため、単なる生成機能をメインとする生成AIよりも、高度な業務に対応できます。
そのため、AIエージェントは生成AIの進化系という見方をされることもあります。
ここ最近は生成AIの登場に世間が驚愕していましたが、今後はAIエージェントが私たちの日常や仕事を激変させる可能性が想定されるでしょう。
AIエージェントの作り方
AIエージェントと聞くと特別なプログラミングスキルがないと作成できないと思う方もいるかもしれません。
実はプラットフォームを利用した作り方もあり、コーディング経験がなくても作成に挑戦できます。
たとえば、AIエージェント作成プラットフォームでは、用途に応じたAIエージェントをプロンプトでカスタマイズして作成できます。さまざまな形式のデータから独自の知識や文脈を学ばせ、AIエージェントの質を高めることも可能です。
顧客対応アシスタントや、ビジネスコンサルアシスタントなど、すでにあるフォーマットを活用して作成することもできます。
難しそうだからといって敬遠してしまえば、いつまでたってもAIを使いこなせるようにはなりません。すでに無料でAIエージェントの作成を試せるプラットフォームも登場しているので、気になったツールがあれば利用を検討してみるとよいでしょう。
AIエージェントについて学べる本
AIエージェントについて理解を深めるのに役立つ本もあります。
ここではAIエージェントについて学べる本についてピックアップしてご紹介します。
つくりながら学ぶ!生成AIアプリ&エージェント開発入門 (Compass Data Science)
実践的なAIエージェントの開発について解説している入門書です。
YouTubeのURLから動画の内容を要約してくれるAI、PDFをアップロードして内容についてLLMに質問できるAIなどの作り方が解説されています。
エージェントの実装の流れやエージェントの動作を可視化するツールなども紹介。
カスタマーサポートエージェントや、データ分析エージェントなどの作成にも触れているので、AIエージェントの可能性について知ることができるでしょう。
つくりながら学ぶ!生成AIアプリ&エージェント開発入門 (Compass Data Science)
その仕事、AIエージェントがやっておきました。 ――ChatGPTの次に来る自律型AI革命
AIエージェントとは何かがわかるように、仕組みについて前提知識がなくても理解しやすいように解説した本です。
AIエージェントによって仕事がどのように変わるのかにふれつつ、AIエージェントを構成する要素、AIエージェントの頭の中などを説明しています。
具体的にAIエージェントを体験するためのサービスも紹介しています。
気になるAIエージェントサービスがあれば利用を検討してみてはいかがでしょう。
その仕事、AIエージェントがやっておきました。 ――ChatGPTの次に来る自律型AI革命
AIエージェントの活用事例
AIエージェントは水面下でさまざまなビジネスモデルに組み込まれて活用され始めています。ビジネスでの利用イメージが湧きやすいように、AIエージェントがどのような業務に使われるのか、活用事例をご紹介します。
インタビュー調査
AIエージェントはインタビュー調査と相性が良いです。たとえば、人によるインタビューでは対象者に質問すると、新たに質問したいことが浮かび上がってきます。
AIエージェントであれば、AIがチャットで対象者に質問したあと、得られた回答に対してさらに深堀りした質問を投げかけ、有益な回答結果を入手してくれます。
自律思考のAIエージェントだからこそ実現できる業務自動化の活用事例といえるでしょう。
レポートの作成
AIエージェントはレポートの作成にも貢献します。たとえば、調査の目的を設定することで、計画的に業界の動向や論文、法律などを調査して意図した情報をレポートにまとめてくれます。
データサイエンティストには研究者タイプの仕事内容もあり、携わる業務によっては医学や薬学、生物学といった最先端知識が求められることもあります。AIエージェントに論文や海外サイト、研究者のSNS投稿などから最新知識をまとめてもらえば、リサーチ業務を大幅に削減できるでしょう。
データサイエンティストの仕事内容について気になった方は下記の記事をぜひご覧ください。
データサイエンティストの仕事内容を種類別に解説!仕事例や向いている人、やめとけ・つらいといわれる理由は?
AIエージェントツール
AIエージェントの利便性がわかったけれど、身近なツールとしては実感できなかった方もいるかもしれません。
AIエージェントについてさらに理解を深めるには、具体的なツールを知る必要もあります。
ここでは参考に、AgentGPTというAIエージェントについてご紹介します。
AgentGPT
AgentGPTは、AIエージェントの名前と目標を設定するだけで、タスクを細分化してまとめてくれるAIエージェントツールです。
ログインが求められますが、Webブラウザからサイトにアクセスするだけで利用できます。
テンプレートが用意されており、カスタマイズしてすぐに導入できるエージェントもあります。たとえば、キャリアとスキルに基づき履歴書を作成するエージェント、フィットネス目標に応じたトレーニング計画を設計するエージェント、業界の包括的なレビューを提示するエージェントなどです。
結果について保存したりエクスポートしたりすることもできます。
AIエージェントをうまくつかいこなせない場合はメンタリングも検討
生成AIは使いこなせるようになったけれど、どうしてもAIエージェントをうまく活用できないという方もいるでしょう。
AIエージェントの活用に悩んでいる方は、AIやデータ分析の専門家からアドバイスを受けるのがおすすめです。
ビッグデータラボでは、AIやデータサイエンスに詳しい専門家が、AIやデータ分析のスキル習得に関する悩みについて相談に応じ、個々の目標に応じた講習プログラムを提案しています。
無料相談を受け付けているので、AIエージェントを使うための基礎を学びたい方、AIエージェントを使いこなせるデータサイエンティストになりたい方などは、気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は、AIエージェントの概要をはじめ、生成AIとの違いを中心に解説しました。
AIエージェントは、目標を設定するだけで達成に向けて自律的にタスクの細分化、実行などを行うシステムです。生成AIと違ってユーザーの意図を探りながら目標達成を目指してくれます。
調査業務や分析業務などを自動化できるため、データサイエンティストの仕事でも重宝するでしょう。早い段階からAIエージェントの活用にトライすれば、職場の生産性を高められるだけでなく、自身の市場価値まで高められるに違いありません。
使いやすそうなAIエージェントツールを見つけたら試してみるとよいでしょう。
コンテンツ
- AIエージェントとは?生成AIとの違いや理解に役立つ本、活用事例、関連ツールなどを紹介!
- AIエージェントとは?
- AIエージェントと生成AIの違い
- 生成AIの意味
- 違い1.自主性の有無
- 違い2.できること
- 違い3.タスクの実行
- 違い4.ツールとの連携
- 比較表
- AIエージェントの作り方
- AIエージェントについて学べる本
- つくりながら学ぶ!生成AIアプリ&エージェント開発入門 (Compass Data Science)
- その仕事、AIエージェントがやっておきました。 ――ChatGPTの次に来る自律型AI革命
- AIエージェントの活用事例
- インタビュー調査
- レポートの作成
- AIエージェントツール
- AgentGPT
- AIエージェントをうまくつかいこなせない場合はメンタリングも検討
- まとめ
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