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Clineとは?使い方や無料の機能、料金、cursorとの違いなどを解説!

Clineとは?使い方や無料の機能、料金、cursorとの違いなどを解説!

Clineとは?使い方や無料の機能、料金、cursorとの違いなどを解説!

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開発経験が浅い初心者にとって、「コードを書いたりデバッグしたりするのは大変」「ChatGPTで生成したコードを毎回コピペするのは面倒」など、開発作業への不安や手間は尽きないものです。そんな悩みを解消してくれるのがAIエージェントツール「Cline」です。

この記事では、Clineの概要から無料機能使い方料金体系競合ツールcursorとの比較まで詳しく解説します。読み終えれば、ClineがデータサイエンティストやAIエンジニアを目指すときに開発の練習に役立つのかもはっきりわかるでしょう。

Clineとは?

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Cline(クライン)とは、米国のスタートアップCline Bot Inc.が開発したAI搭載の自動コーディング支援ツールです。

読み方は「クライン」で、以前は「Claude Dev」という名称でしたが、現在はClineと改名されています。ツールの名称との関係は定かではありませんが、「Cline」は英語で本来「連続的な傾斜」や「段階的変化(漸移)」といった連続的な変化を表す言葉です。

Visual Studio Code(以下VS Code)上で動作する拡張機能で、単なるコード補完ではなくAIエージェントとして振る舞います。

チャット感覚で指示を出すだけでコードの自動生成・編集から実行・テストまでを支援してくれます。単なる入力補完(オートコンプリート)とは異なり、Clineはエージェントとして以下のような多彩な動きをします。

  • 自然言語で要件を入力すれば、それに基づいて新しいコードを生成する。
  • 既存のソースコードを読み取り・編集し、新規ファイルの作成や既存ファイルの修正を行う。
  • 必要に応じてターミナルコマンドを実行し(ユーザーの許可制)、ビルドやテスト、サーバ起動などもこなす。
  • 複数ファイルにわたるまとまった機能追加も、指示ひとつで計画を立ててコードを書き、(Gitの)コミットまで提案してくれる

要するに、人間の開発者が横でペアプロしているかのように、Clineがあなたのエディタ内で対話しながら開発タスクを進めてくれるのです。

しかもClineはAnthropicのClaudeOpenAIのGPT-4Google Geminiなど様々なAIモデルを裏で利用できる柔軟性があり、高度な自然言語理解により初心者でも「日本語でやりたいことを伝えるだけ」でOKな手軽さを備えています。

Clineの無料で使える機能

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Cline本体はオープンソースとしてGitHubに公開されており、無料でインストール・利用が可能です。

無料で使える代表的な機能には、以下のようなものがあります。

  • チャットUIによる自然言語操作
  • ファイル生成や編集の自動化
  • ターミナルコマンドの実行(ユーザー確認のもと)
  • Webブラウザ操作(スクリーンショット取得やUIテスト)
  • Memory Bankによる文脈保持と作業継続
  • Plan/Actモードによる安全な自動処理

また、Clineが用いるAIモデルの一部は無料APIで接続可能です。Anthropic ClaudeやOpenAI GPT-4といった商用モデルだけでなく、DeepSeekなどのオープンソースモデルを利用すれば、完全無料で運用することもできます。

Clineの基本的な使い方(インターフェースと操作方法)

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「機能が色々あるのは分かったけど、実際どうやって使うの?」という初心者の方のために、Clineの基本的な使い方を解説します。

Clineパネルを開く

VS CodeにCline拡張をインストールすると、エディタ左側のサイドバーにロボットのアイコンが表示されます。

このアイコンをクリックするとClineのチャットパネルが開きます。エディタ内にChatGPTのような対話ウィンドウが埋め込まれるイメージです。

自然言語で指示を入力

チャット入力欄に、今やりたいことを日本語または英語で書き込みます。例えば「このプロジェクトにログイン機能を追加して」といった要領です。

ポイントは、人に説明する感覚で要件を伝えれば良いという点です。高度なプログラミング知識がなくても、何をしたいかを言語化すればOKです。

Clineが計画を提案

エンターを押すと、Clineはまず「やるべき作業の計画」を立案します(Planモード)。

例えば「1. 認証用のライブラリを追加します。2. ユーザーデータモデルを作成します。3. ログイン用のUIを実装します…」というように箇条書きのプランが示されるでしょう。

Clineはこの計画をチャット上で提示し、ユーザーの確認を求めます

ユーザーが内容を確認・修正

提案されたプランに目を通し、意図と合っているか確認します。もしプランの一部を変更したければ対話で修正できますし、「OK」と伝えれば次に進みます。

Clineは必ずユーザーの許可を得てから行動するため、暴走して勝手にコードを書き換えることはありません。初心者でも納得しながら進められるインタラクティブなプロセスです。

コードの自動生成・編集

ユーザーの承認後、Clineは各ステップ(Actモード)を実行に移します。例えば新しいファイルlogin.jsを作成しログイン画面のコードを書く、Userクラスに認証用のメソッドを追加するといった具体的な編集を行います。変更は差分(diff)形式で提示されるので、どのようにコードが変わったか一目で分かります。

この差分ビュー上でさらに自分で手直ししたり、「ここはこう直して」とClineに再提案させることも可能です。初心者にとっては、Clineが書いたコードを読みながら学べるインタラクティブな教材にもなります。

コマンド実行と結果フィードバック

Clineは必要に応じてターミナルでコマンドを実行できます。例えば「ライブラリをインストールするためnpm installを実行しますか?」と許可を求め、Yesと答えれば実際にターミナルでインストールが走ります。

テストコードを書いた場合は自動でnpm testを走らせ、その結果(エラーの有無)も取得して次のアクションに反映します。

Web開発中ならプレビュー用に内部ブラウザでページをレンダリングし、エラーが出たらそれを検知してコード修正に戻ることもできます。

作業完了の提示

指示したタスクが完了すると、Clineは「できました!」と結果をまとめ報告します。

例えば「ログイン機能を実装しました。ブラウザでindex.htmlを開くとログインフォームが表示されます。」という具合です。

そしてopen -a "Google Chrome" index.htmlのような確認コマンドも提示され、ワンクリックで実行できます。ここまでくれば一連の開発タスクが終了です。

継続的な対話

その後も引き続きClineとの対話を続けられます。「今書いてもらったコードをリファクタリングして」と依頼すればまたPlan→Actで進行しますし、新たな機能追加も可能です。

Clineはメモリバンクにより前のやりとりを踏まえてくれるため、一度構築した文脈を活かしてプロジェクト全体を徐々に発展させていけます。

Clineの料金

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Clineそのものの利用料金は基本無料です。しかし、裏で利用するAIモデルのAPI利用料(トークン課金)については理解しておく必要があります。

ここでは、Cline利用に伴う料金体系について整理します。

  • ツール自体は無料: Cline拡張機能のインストールや利用に月額費用は発生しません。GitHub Copilotのような定額サブスクリプションは不要で、ツール利用料ゼロからスタートできます。したがって「まずは試してみる」ことに金銭的リスクはありません。
  • 新規ユーザーの無料クレジット: Cline v3.6以降では、前述のCline APIプロバイダにより初回無料クレジットが提供されます。これにより一定量のAI利用は無料枠内で実行可能です。例えば最初の1〜2回のタスク実行くらいなら無料でこなせるイメージです。このおかげで、APIキーを用意しなくても導入直後からコストを気にせず試用できるようになりました。
  • API利用料(トークン課金): 無料枠を超えて高度なモデルを使い込む場合、トークン数に応じた料金が発生します。ClineはOpenAIやAnthropic、OpenRouter経由の各種モデルを利用できますが、それぞれ「入力トークンあたり○円」「出力トークンあたり○円」という料金が設定されています。例えばOpenAIのGPT-4モデルなら1000トークン当たり数円~数十円程度です(モデルにより異なる)。Cline自体は各APIを呼び出す役割なので、利用者自身のAPIキーに紐づいた料金が後で請求されます。
  • 料金の目安: 実際どの程度のコストになるかは利用の仕方によります。軽い補助的な利用であれば1日あたり数十円~数百円程度で済むこともあります。一方で、Clineは自律的にコードベース全体を読み込んだり大量の試行を行うため、使い方次第ではトークン消費が膨大になるケースもあります。「1日で50ドル(約5千円)以上かかってしまった」との声もあり、無制限に使い続けるとかなり高額になり得ます。
  • 固定料金制ではない: Clineは上述のように使った分だけ料金がかかる従量課金です。これは裏を返せば、使わなければ無料ということでもあります。GitHub Copilotなどは月額約1,000円の定額料金(個人向け約10ドル/月)ですが、Clineは自分でコントロール可能です。短期間で集中利用するなら割安になり得ますし、逆に長時間フルで自動生成させ続けると割高になります。利用状況に応じた柔軟なコストといえます。
  • 無料で使い続ける方法も可能: 極限までコストを抑えたい場合、完全無料のモデル(DeepSeek等)やローカル実行を使うことでランニングコストゼロを実現できます。例えば自分のPCに7Bや14B程度のLLMを導入し、Clineをローカルモデルモードで使えばAPI料金はかかりません。ただしモデル性能や処理速度は商用APIに劣るため、利用体験は多少変わります。

Clineは導入コスト無料&ランニングも制御可能です。初心者のうちは無料枠+必要最小限の利用でほぼ費用ゼロで試せますし、慣れてきて本格利用する際にはコスト管理(モデル選択や回数調整)を意識すれば費用対効果の高いAIアシスタントとなるでしょう。

反対に、何も気にせず大量のコード生成を走らせると思わぬ出費になる可能性もあります。ですので、使い方と料金のバランスを考えながら賢くClineと付き合うことをおすすめします。

ClineとCursorの違い

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現在人気のAIコーディング支援ツールには、Clineの他にCursor(カーソル)という強力な選択肢があります。

ここでは、ClineとCursorを比較し、それぞれの機能やメリット、デメリットや向いている人を整理します。

比較項目
Cline
Cursor
機能
VS Code拡張、AIエージェントによる自律的な開発支援
独自IDE、コード補完に特化した支援ツール
メリット
自然言語操作、複数ファイル編集、ターミナル統合、柔軟なモデル選択
安定性、操作性、定額制による料金予測のしやすさ
デメリット
モデル使用料が従量課金、コード量が多いと挙動が不安定になる場合あり
モデル選択不可、機能の自動化は限定的
おすすめな人
開発自動化を追求したい人、実験的なAI活用をしたい人
安定性重視の人、定額でAI補完を使いたい人

※上記は2025年4月時点の情報に基づく比較です。

両ツールとも日々アップデートされているため、機能や性能差は将来変化する可能性があります。選択に迷う場合は、まずはCursorのトライアルで手堅さを体験し、必要に応じてClineも試して先進機能を検証するといったアプローチも良いでしょう。

それぞれ長所短所があるので、自身のプロジェクトと目的に照らして最適な方を選んでください。

Cursorについて詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。

Cursorとは?無料でできることや使い方、設定、料金、インストールの流れを解説!

Clineと各種ツールとの関係

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AIによるコード支援の分野は急速に発展しており、Cline以外にも様々なツールやプラットフォームがあります。ここでは特に関連が深いツールや技術との関係性を紹介します。

Claude Code

Clineはもともと「Claude Dev」という名前で公開されており、Anthropic社のClaudeをベースに開発が進められてきました。Claude CodeはそのClaudeモデルを活用したAIエージェントの実装例のひとつであり、Clineと思想的にも近い関係にあります。

どちらも自然言語での指示に基づいてコードを生成したり、ターミナル操作を伴う開発支援を行う点が共通しています。異なるのは、Claude CodeがAnthropic公式によるターミナルベースの試験的実装であるのに対し、ClineはVS Codeに組み込めるGUIベースのエージェントツールである点です。

DeepSeek

DeepSeekは中国のAI企業が開発した大規模言語モデルで、プログラミングに特化した高性能な出力が可能とされています。ClineではこのDeepSeekをバックエンドモデルとして指定でき、無料かつ高精度なコード生成を体験できます。

DeepSeekは特に高性能であるとされるDeepSeek CoderやDeepSeek R1が注目されており、Clineで商用APIを使わずに高精度な支援を受けたい場合に有力な選択肢です。

DeepSeekについて詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。

DeepSeekとは?種類や使い方、評判、DeepSeekショックのあらまし、リスクなどを解説!

github

Cline自体はGitHubで公開されているオープンソースのプロジェクトであり、開発の様子やアップデート情報、他ユーザーからの提案を確認できます。Clineの利用にあたっては、Gitの基本的な知識があると変更履歴の追跡やバグ報告がしやすくなります。

また、Clineはエージェントとしてプロジェクト内のgitコマンドを利用するケースもあり、コミット操作や変更差分の確認にも活用されます。

copilot

GitHub Copilotは、AIによるコード補完機能を持つ開発支援ツールです。Clineと異なり、Copilotはユーザーの入力に対してコード候補を提案するアシスト型であり、自律的なファイル編集やコマンド実行は行いません。

Clineが「AIエージェント」として人間の代わりに考え、作業を自動実行するのに対し、Copilotはより保守的な補完に特化しているという違いがあります。

ChatGPT

ChatGPTはOpenAIが開発した対話型AIであり、Clineと同じく自然言語でのコード生成に対応しています。ただしChatGPTはWebブラウザ上で動作し、生成されたコードを自分でコピーしてエディタに貼り付ける必要があります。

一方でClineはエディタ内に組み込まれており、ChatGPTのような会話形式での操作が可能であるうえ、コードの生成から反映、実行までをワンストップで行えます。

ChatGPTについて詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。

ChatGPT導入完全ガイド:メリット・方法・活用事例・注意点【中小企業向け】

Clineの導入方法・初期設定・始め方

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実際にClineを使ってみたいと思った方のために、インストールから初期設定までの手順がわかるように説明します。

1. VS Codeの用意

まず前提として、PCにVisual Studio Codeがインストールされていない場合はインストールします(Windows/Mac/Linux対応)。既にVS Codeをお使いなら次へ進みます。

2. Cline拡張のインストール

VS Codeを開き、左サイドバーの拡張機能タブ(四角いアイコン)をクリックします。検索ボックスに「Cline」と入力して検索し、出てきた「Cline」拡張を選択して「インストール」ボタンを押します。※見つからない場合、旧名称の「Claude Dev」で検索します。インストールが完了すると、サイドバーにロボットのアイコンが追加されます。

3. 拡張機能を起動

サイドバーのロボットアイコン(Clineアイコン)をクリックすると、Clineのチャットウィンドウがエディタ内に開きます。初回起動時にはWelcomeメッセージや簡単なガイダンスが表示されることがあります。

4. プロバイダの設定

次に、Clineが利用するAIモデルのプロバイダ設定を行うのですが、最新バージョンではデフォルトで「Cline」プロバイダが選択され、サインイン不要で無料クレジットを使える状態になっているはずです。

初心者の方はまずデフォルト設定で問題ないでしょう。

5. 初回プロンプトの実行

設定が済んだら、チャット欄に簡単な指示を入力してみましょう。例:「Hello, World!を出力するPythonプログラムを書いて」と送信します。

するとClineが応答を開始し、必要なら計画を提示してからコードを書いてくれるはずです。無事に動作すればセットアップ成功です。もしうまく反応しない場合は、モデル設定が正しいか、ネット接続状況などを確認してください。

Clineの種類

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Clineは本体だけでなく、コミュニティによる派生版も複数存在しています。それぞれ異なる特徴を持ち、利用者のニーズに応じて選択できます。

Cline(旧Claude Dev)

もともと「Claude Dev」という名前で公開されていたバージョンが、現在のClineに改名されました。Anthropic社のClaudeをベースに開発が進められていましたが、現在は複数のAIモデルに対応するようになっています。

このバージョンが最も安定的にアップデートされており、機能面でも拡張性が高く、初心者にも推奨される基本形です。

Roo Cline

Roo Clineは、Clineのフォーク(派生プロジェクト)としてコミュニティ主導で開発されているバージョンです。新機能の実装や実験的な改善が積極的に行われており、Cline本体よりも開発スピードが速いと評価されています。

ただし、安定性に関しては本家に劣る場面もあるため、日常的な利用には注意が必要です。上級者や開発者向けの試験運用に適しています。

Cool Cline

Cool Clineは、Roo Clineをさらにベースにして一部機能を拡張したフォークです。中国語圏を中心に開発されており、UIやプロンプト言語などに多言語対応を加えた工夫がみられます。

ただし、公式サポートやドキュメントが少ないため、英語や中国語に抵抗がある初心者にはやや敷居が高いツールです。

Bao Cline

Bao ClineはClineのフォークのひとつで、「できるだけ自動化された開発支援」を目指して構築された派生版です。人間の介入なしにエージェントが自律的にタスクを実行する設計思想が特徴です。

Clineの手動承認フローに煩わしさを感じる中・上級者に向いていますが、誤動作のリスクも高くなるため注意が必要です。

Clineの利用に迷ったらビッグデータラボのメンタリングサービスも活用

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ここまで読んで「Clineは魅力的だけど自分に合っているか判断が難しい」「使いこなせるか不安…」と感じる方もいるかもしれません。そんな時は、専門家によるメンタリングサービスを活用してみるのも一つの手です。

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まとめ

総合的に見て、Clineは開発初心者にとっても強力な味方になり得るツールです。高機能ゆえの学習曲線や、使い過ぎによるコストといった注意点もあります。

しかし、適切に使いこなせば「自分の代わりに考えてコーディングしてくれる助手」が手に入るわけで、これは開発効率や学習効率の飛躍的向上につながります。

まずは無料で試せますので、興味が湧いた方はClineをインストールを検討してみるとよいでしょう。必要に応じて他のツールやサービスも組み合わせ、自分だけの最適な学習・開発環境を築いていってください。