データサイエンティストとは? 仕事内容や必要なスキル、平均年収、将来性、需要などを簡単に解説!
デジタル化が急速に進む現代において、データサイエンティストの職業が注目されています。すでに就職や転職における職業の選択肢として検討している方も多いでしょう。データサイエンティストを本格的に目指すのであれば、職業について詳しく理解しておくことが大前提です。今回は、データサイエンティストの定義をはじめ、仕事内容や必要なスキル、平均年収、将来性、需要などをわかりやすく解説します。データサイエンティストに関する情報収集にぜひお役立てください。
- データサイエンティストとは? 仕事内容や必要なスキル、平均年収、将来性、需要などを簡単に解説!
- データサイエンティストとは?
- データサイエンティストの定義
- データサイエンティストが向いている人の境遇
- データサイエンティストの仕事内容
- 仕事内容1.データ収集
- 仕事内容2.データ処理
- 仕事内容3.データ解析
- データサイエンティストに必要なスキル
- データサイエンス力
- データエンジニアリング力
- ビジネス力
- データサイエンティストの平均年収
- データサイエンティストの将来性
- DX推進によって需要が高まる
- まとめ
データサイエンティストとは?
データサイエンティストはどのような職業で、どのような人が目指すのでしょうか。定義をおさらいしつつ、データサイエンティストが向いている人の境遇について解説します。
データサイエンティストの定義
IPA独立行政法人情報処理推進機構のホームページでは、データサイエンティストの定義が掲載されています。
”DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材と定義しています。”
引用:データサイエンティスト(IPA独立行政法人情報処理推進機構)
データサイエンティストは、業務や商品開発、サービスの提供などにデータを活用できるよう、データ収集・解析の仕組みを設計・実装・運用する人材とのことです。
なお、DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称であり、ビッグデータやAIといった最新テクノロジーを活用してビジネスモデルや組織体制などを変革する取り組みです。
データサイエンティストはDX推進の鍵を握る存在であることもわかります。
データサイエンティストが向いている人の境遇
データサイエンティストは、データ収集・解析をする職業であるため、数学や統計学、情報工学などを専攻している大学生や大学院生が向いています。ただ、データ収集・解析の経験があれば、理系を問わず文系出身者でも目指すことが可能です。
社会人が異業種からデータサイエンティストになることもできます。たとえば、鋼鉄業界で品質管理業務に携わっていた方がデータサイエンティストに転職して、製造分野の画像解析や要因分析を任されることもあります。
畑違いの分野であっても現在の業務経験を活かせるなら向いているかもしれません。データサイエンティストを目指す余地は十分にあるでしょう。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストの概要をお伝えしました。さらに職種についての理解を深めるには、具体的な仕事内容を知る必要があります。引き続き、データサイエンティストの主な仕事内容を解説します。
仕事内容1.データ収集
データサイエンティストは分析対象となるデータを収集します。
たとえば、ソーシャルゲームの事業であればユーザーのプレイデータを収集します。ログインユーザーのうち、メインコンテンツをプレイしている割合を分析すれば、ユーザーが飽きているかどうか判断し、必要に応じて改善策を検討可能です。
自社の事業ではなく顧客のサービスを改善する仕事では、クライアントにヒアリングして分析対象のデータを収集します。
仕事内容2.データ処理
分析対象となるデータを収集したらデータ処理を行います。関係のないデータを除外したり、単位を合わせたりします。
アンケートで得られたデータであれば、何らかの理由によって記載されなかった無回答データ(欠損値)にも対処しなければなりません。
データ処理に失敗すると意思決定を誤ってしまうリスクも高まります。データサイエンティストの仕事の中でもデータ処理は極めて重要なプロセスだといえるでしょう。
仕事内容3.データ解析
データを見るだけでは意思決定に役立つ情報が得られません。データサイエンティストがデータを解析して、分析結果とともに新たな知見、改善案などをレポートにまとめる必要があります。
そのために、統計解析手法を用いてデータの規則性を見出したり、機械学習によって予測モデルを構築したりして分析します。
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストの仕事内容について解説しました。
データサイエンティストになるには幅広いスキルが必要であり、早いうちから習得し始めるに越したことはありません。
データサイエンティスト協会によると、データサイエンティストに必要なスキルはデータサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力などに分けられます。データサイエンティストに必要な各スキルをご紹介します。
参照:
2023年度スキル定義委員会活動報告 p4(一般社団法人 データサイエンティスト協会)
スキルチェックリスト ver.5(一般社団法人データサイエンティスト協会)
データサイエンス力
データサイエンス力は、情報処理やAI、数学、統計学といった情報科学系の知識を活用するスキルです。
異常値に対処できるデータクレンジング力、機械学習の手法に対する理解、線形代数の基礎、確率に関する知識などが求められます。
高校で習う内容も多い印象です。大学生であれば、忘れる前に復習して知識を定着させておくと、データサイエンティストを目指しやすくなるでしょう。
データエンジニアリング力
データエンジニアリング力は、データサイエンスを意味のある形に使えるように実装・運用するスキルです。
オープンデータの分析システムの要件を整理するシステム企画力や、データを収集先に格納する機能を実装できる通信技術、分析処理結果を指定のフォーマット形式に変換できるデータ出力スキルなどが必要になります。
データを分析するための環境を整えるためのスキルが求められており、システムに関連する幅広い知識も必要です。
ビジネス力
ビジネス力は、背景を理解したうえでビジネス課題を整理して解決するスキルです。
分析結果の意味を正しく伝えられる言語化能力や、論理破綻を指摘されたときに相手の主張を理解できる論理的思考力、ビジネスの観点から仮説を立てられる仮説力などが求められます。
全体的に文系の学問で培える能力も多い印象です。課題解決力に自信がある方であれば、文系でもデータサイエンティストとして活躍できるかもしれません。
なお、データサイエンティストに必要なスキルを磨くなら資格の取得もおすすめです。下記の記事でデータサイエンティストに関する資格を紹介しています。データサイエンティストを目指すときにお役立てください。
データサイエンティストの資格6選! 難易度や勉強時間、評価なども紹介
データサイエンティストの平均年収
厚生労働省が運営する職業情報提供サイトjobtagでは、令和5年賃金構造基本統計調査の結果に基づき、データサイエンティストの平均年収も掲載されています。
データサイエンティストの平均年収の詳細は下記の通りです。
平均年収(全国) | 554.3万円 |
年齢(全国) | 43.1歳 |
掲載されているグラフをもとに年齢別の年収を表にまとめると下記の通りです。
~19歳 | 約265万円 |
20~24歳 | 約340万円 |
25~29歳 | 約414万円 |
30~34歳 | 約499万円 |
35~39歳 | 約585万円 |
40~44歳 | 約599万円 |
45~49歳 | 約661万円 |
50~54歳 | 約689万円 |
55~59歳 | 約687万円 |
60~64歳 | 約529万円 |
65~69歳 | 約416万円 |
70歳~ | 約413万円 |
順調にキャリア形成を進めていけば、50代で年収700万円近くまで到達することがわかります。
参照:データサイエンティスト(職業情報提供サイトjobtag 厚生労働省)
データサイエンティストの将来性
インターネット上で「データサイエンティストはやめとけ」「データサイエンティストはなくなる」「データサイエンティストはいらない」といったネガティブワードを目にすると、本当にデータサイエンティストを目指してよいのか不安になってしまいがちです。
迷いがあると就職・転職活動、資格の取得などに専念しづらくなります。自信を持ってデータサイエンティストを目指せるよう、将来性まで確認しておきましょう。
DX推進によって需要が高まる
冒頭でお伝えした通り、データサイエンティストは「DX推進」におけるデータ分析の専門家です。つまり、DX推進の流れが加速するほど、データサイエンティストの需要が高まることが想定されます。
現状としてDX推進は政府が主導しており、産業界に対して目標となる企業モデルを示す取り組みを実践しています。
たとえば、経済産業省が行っている取り組みとして挙げられるのがDX銘柄の選定です。東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDX推進の仕組みを社内に構築してデジタル活用の実績が表れている企業を選定しています。
模範企業が明らかになっていけば、追随してDX推進に力を入れる企業も増える可能性が高いです。
このように、近年はDX推進の流れが政府を主導に本格化しているので、データサイエンティストの需要も高まっていくでしょう。
まとめ
本記事では、データサイエンティストの定義や仕事内容、必要なスキル、将来性などを解説しました。
データサイエンティストは、業務変革や新規ビジネスの実現などを目的に、データ収集・解析の仕組みを設計・実装・運用する職業です。
クライアントから分析対象のデータを収集したり、分析前に無関係のデータを除外したり、統計的手法によってデータの規則性を見つけたりします。
数学や統計の知識、システムを企画するスキルなど理系分野の能力が求められますが、言語化能力や論理的思考力など文系分野で培える能力も必要になります。
データサイエンティストはDX推進の鍵となる職業で将来性も高いです。データ分析の経験があれば理系・文系を問わず目指してみてはいかがでしょう。