データサイエンティストの資格6選! 難易度や勉強時間、評価なども紹介
市場の競争が激化する現代において、企業・団体におけるデータサイエンスの役割がますます重要になってきました。今後の需要増加を見越してデータサイエンティストを目指し、資格の取得を検討している方も多いのではないでしょうか。今回はデータサイエンティストの概要と就職・転職における資格の必要性について言及したうえで、おすすめの資格をご紹介します。難易度や勉強時間、評価なども紹介しているので、これからデータサイエンティストとしてのキャリア形成を目指す大学生や社会人の方はぜひ参考にしてみてください。
データサイエンティストとは? 資格は就職・転職で評価される??
データサイエンティストの関連資格を取得すべきか判断するには、データサイエンティストの職業について正しく理解しておき、資格が就職や転職の際に評価されるのかを把握しておくことが重要です。
まずは、データサイエンティストの仕事内容や資格の必要性について簡単に解説します。
仕事内容
データサイエンティストとは、業務プロセス革新のために大量に蓄積されたデータ(ビッグデータ)を分析する職業です。ビッグデータを解析した情報を活用して仕事の生産性を高めたり、従来では実現できなかったアイデアを生み出したりします。
具体的な仕事内容の流れは下記の通りです。
1.分析対象となる業務の責任者や担当クライアントにヒアリングして分析目標を決定する
2.データ担当者にヒアリングして分析データを確認する
3.データを加工しつつモデリング(データ処理の枠組みを検討)する
4.モデルが適切かどうか効果検証する
5.モデルが新たなデータに対して有効か判断する
6.モデルが有効であればサービス、分析機能として実装する
7.継続的にデータ分析やモデリングをして自分の分析結果やモデルが最善か検討し続ける
データ分析に伴い、統計解析や機械学習モデルの開発、ビジネスの仕組み、市場の動向など、幅広い知識が求められます。
参照:データサイエンティスト(job tag 厚生労働省職業情報提供サイト)
資格の必要性
データサイエンティストの資格は、下記のような求人で歓迎要件に記載されたり、資格取得補助の対象にされたりするなど、世間的に評価されています。
・Web上の顧客行動履歴を解析する仕事の求人
・統計モデルや機械学習モデルの設計、構築をする仕事の求人
・各部署のビジネス課題のヒアリング、分析テーマを検討する求人
データサイエンティストの資格を取得しておけば、データサイエンティストの仕事はもちろん、さまざまなデータ解析関連の仕事に応募するきっかけを得やすくなり、就職や転職を有利に進められるでしょう。
データサイエンティストを目指すのに役立つ資格
データサイエンティストを目指すのに資格が役立つことをお伝えしました。引き続き、データサイエンティストになるための資格をご紹介します。
DS検定 (データサイエンティスト検定) リテラシーレベル
DS検定 リテラシーレベルは、データサイエンティストに必要なリテラシーレベルの実務能力や知識を証明できる資格です。
微分や積分の基礎、データ加工、機械学習など、データサイエンス力を試す問題が出題されます。
データサイエンティストに興味を持っている大学生やビジネスパーソンなどが対象です。難易度は初級レベルで独学でも取得できるため、資格取得の順番として一番初めに受験するのに最適でしょう。
運営元 | 一般社団法人データサイエンティスト協会 |
取得の難易度 | 初級 |
勉強時間 | 約30時間 |
就職・転職での評価 | 歓迎要件に記載されることあり |
DS検定に関して、難易度や勉強時間等について、もっと詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
DS検定(リテラシーレベル)とは? 難易度や勉強時間、G検定とどちらを受けるべきかを解説!【テキスト紹介あり】
統計検定 データサイエンス基礎
統計検定 データサイエンス基礎は、データサイエンスの基礎力を証明できる資格です。
データセットを目的に応じてハンドリングした結果を問う問題や、分析を実行した結果を問う問題、分析結果の適切な解釈を問う問題などが、大学入試までの内容構成で出題されます。
取得を通して身近なExcelでのデータサイエンスを経験できます。Excelの扱いに慣れている大学生・社会人であれば、データサイエンスを学ぶのに最適な資格でしょう。
運営元 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
取得の難易度 | 初級 |
勉強時間 | 約40~60時間 |
就職・転職での評価 | 資格支援の対象とされるくらいに重視されている |
統計検定 データサイエンス発展
統計検定 データサイエンス発展は、データサイエンスについて大学教養レベルの一般的な内容について学んだことを証明できる資格です。
統計や数理、情報、倫理・AIなどに関する内容が試験範囲となっています。確率分布、データを扱ううえでの留意事項、プログラミング基礎、画像解析など学ぶことが多く、就活・転職でデータサイエンスに関する知識量をアピールするのに最適です。
すでにデータサイエンスを実践している社会人が知識を補強するのにも役立つでしょう。
運営元 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
取得の難易度 | 中級 |
勉強時間 | 約60~80時間 |
就職・転職での評価 | 歓迎要件に記載されることあり |
統計検定について、統計検定1級など他の種類も含め、もっと詳しく知りたい方は、下記の記事で細かく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
統計検定とは? メリットや難易度、勉強時間、データサイエンティストを目指すための学習方法などを解説!
E資格
E資格は、ディープラーニング(*)の理論を理解して、適切な手法を選択して実装できる能力・知識を証明する資格です。
数学的基礎や機械学習の基礎をはじめ、深層学習の基礎、深層学習の応用、開発・運用環境などが試験範囲となっています。コーディングに関する問題や、確率統計の計算問題なども出題されます。
データサイエンティストの求人ではディープラーニングに関する知識を必須とする仕事も見受けられます。応募できる求人の幅を広げるためにE資格の取得も検討してみるとよいでしょう。
*コンピューターが自動的に大量のデータを解析してデータの特徴を抽出する技術
運営元 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 |
取得の難易度 | 中級 |
勉強時間 | 約100~200時間 |
就職・転職での評価 | 必須条件に掲載されることあり |
E検定の難易度や勉強時間、学習方法などを詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
E資格とは? 取得メリットや難易度、勉強方法、G検定との違いなどを解説!
データサイエンティストとしてのキャリアアップに役立つ資格
ここまでデータサイエンティストを目指すのに役立つ初級・中級レベルの資格をご紹介しました。データサイエンティストとして活躍するために、キャリアアップの道筋まで描いておきたい方もいるに違いありません。
引き続き、データサイエンティストとしてのキャリアアップに役立つ上級資格もご紹介します。
認定データアナリスト
認定データアナリストは、英国王立統計学会が定めるデータアナリスト要件に基づき認証されるデータアナリスト資格です。
王立統計学会認証講座あるいは同水準の講義を終了したり資格を有したりしていること、分析実務経験を1年間有していることが要件となっています。
権威のある統計学会の基準を満たすデータ分析の専門家であることを示せるので、データサイエンティストとして勤務・転職する際にも評価されやすいでしょう。
実務経験が必要なので、難易度が易しい資格を取得してデータ解析の仕事に就き、ステップアップしたいタイミングで認証を目指すのが現実的です。
運営元 | 一般社団法人Big Data Lab |
取得の難易度 | 上級 |
勉強時間 | - |
就職・転職での評価 | 実務レベルの実績が評価される |
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、データベースの企画や開発・運用・保守、データ分析などに関する専門知識を証明できる資格です。
データモデリング技法を理解し、利用者の要求に基づくデータ分析を行い、正確な概念データモデルを作成できる技術水準が期待されており、データサイエンティストの業務にも役立つとわかります。
データサイエンティストの求人には、データ分析の利活用に用いるデータベースシステムの設計・導入スキルまで求められることもあります。
データサイエンティストとしての仕事の幅を広げるために取得して損はないでしょう。
ただ、IT資格の中でも難易度が高めなので、未経験ですぐに合格するのは難しい傾向です。データサイエンティストの仕事をする中でデータベーススキルを極めたくなった場合に取得を検討してみるとよいでしょう。
運営元 | 独立行政法人情報処理推進機構 |
取得の難易度 | 上級 |
勉強時間 | 約200~500時間程度 |
就職・転職での評価 | 歓迎要件に記載されることあり |
資格以外にデータサイエンティストの実力を示す方法
データサイエンティストのキャリア形成に役立つ資格をご紹介しました。
データサイエンティストのキャリア形成の手段は資格だけではありません。
最近では、コンペティション(競技会)への参加もデータサイエンティストとしての実力を示す方法として注目されています。
引き続き、資格以外にデータサイエンティストとしての実力を示せる代表的なコンペティションとしてKaggleをご紹介します。
Kaggle
Kaggleは、データ分析に関するコンペティションです。元は企業や研究者が投稿したデータについて、データ分析家が最適モデル構築を競い合うプラットフォームとして知られており、現在はGoogleに買収されGoogle参加の企業が運営する予測モデリングプラットフォームとなっています。
文章の有害性を分類するコンペなどで受賞を目指して、データ分析に関する実践経験を積めます。未経験から趣味としてKaggleでデータ分析を始めて、最終的にデータサイエンティストになった方も見受けられます。
経験者がデータ分析の実績を増やすだけでなく、本格的にデータ分析を始めるきっかけを得たい初心者の方にも重宝するでしょう。
Kaggleの概要やメリット、使い方、勉強法、初心者向けのコンペについては下記の記事でまとめています。Kaggleでぜひコンペに参加してみてはいかがでしょう。
Kaggleとは? メリットや使い方、勉強法などを解説!【初心者向けのコンペ一覧も掲載】
まとめ
本記事ではデータサイエンティストの概要をおさらいしつつ、データサイエンティストに関連するさまざまな資格をご紹介しました。
DX化が進む現代において、合理的な判断を下すためのデータ分析はどのような組織であれ不可欠であり、データサイエンティストの需要は高まっています。
これからデータサイエンティストのキャリアを形成するなら、難易度の低い資格を取得してデータサイエンティストの仕事に就き、さらに市場価値を高めるために実務経験を証明できる認証登録に挑戦するのが得策です。
Big Data Labではデータアナリスト認証登録の査定申請に対応しています。データサイエンティストとしてキャリアアップを目指す方はぜひ認証登録を検討してみてください。