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データサイエンティストに必要なPythonとは?学習方法やR・SQLとどっちを学ぶべきかを解説!

データサイエンティストに必要なPythonとは?学習方法やR・SQLとどっちを学ぶべきかを解説!

データサイエンティストに必要なPythonとは?学習方法やR・SQLとどっちを学ぶべきかを解説!

データサイエンティストを目指すうえで必要とされるのがPythonというプログラミング言語です。どのような言語かわからないと、初心者でも学べるイメージが湧きません。何ができるのか知らないと、必要性もわかりづらいですよね。そこで今回は、データ分析の専門家を認証する事業者の立場から、Pythonの概要やできること、初心者に適している理由、学習方法、資格、本などを解説します。R・SQLを学ぶ必要性にも触れているので、Pythonとどっちを学ぶべきか迷っている方も参考にしてみてください。

データサイエンティストに求められるPythonとは?

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Python(パイソン)とは、データサイエンスに役立つ初心者向けの汎用プログラミング言語です。

科学技術分野向けのライブラリを活用できるため、難解な計算処理も簡単に実行可能です。データ分析やAIの開発などに適しています。話題の生成AI「ChatGPT」もPythonで開発されました。

画像を解析して動物を判別する機械学習プログラムや、データセットから建物の価格を予想する機械学習プログラムなどを作成することが可能です。

公式サイトでも、初心者プログラマーに適した言語と明言しており、学生が学ぶ最初の言語としても推奨されています。

データサイエンティストを目指す初心者が学ぶのにも最適でしょう。

生成AIやChatGPTについて詳細が気になった方は下記の記事もご覧ください。

ジェネレーティブAIとは?代表的なモデル・サービスは?業務への活用方法・注意点を紹介!

ChatGPTとは?何ができる?ウソ回答にならない使い方解説

未経験からデータサイエンティストを目指すのにPythonが最適な理由

Pythonは初心者でも学びやすく、データサイエンティストを目指すのに最適だとお伝えしました。理由が気になった方もいるでしょう。

続いては、未経験からデータサイエンティストを目指すのにPythonが最適な理由を詳しく解説します。

記述コードが短い

プログラミング言語の違いによってコーディングの記述量が異なります。

コーディングは英数字、記号などで入力するので、文字数が多いと覚える量も増えてしまいます。

その点、Pythonは記述コードが短く、ほかの言語で5~6行の記述が必要な処理をたった1行で処理できるケースもあります。

記述コードが短いので、初心者でも覚えやすいでしょう。

ライブラリが豊富

ライブラリとは、よく使うコードをまとめて使いやすくしたパーツのような存在です。ライブラリを活用することで、複雑な処理を少量の記述で実行できます。

たとえばPythonでは、NumPy(ナムパイ)という効率的に数値計算できるライブラリや、Pandas(パンダス)というデータの前処理ができるライブラリなどがあります。

各種ライブラリを学べば、初心者でもプログラミングによるデータサイエンスの手法をスムーズに習得できるでしょう。

プログラムを気軽に実行できる

Pythonは、実行時に1行ずつ機械語に変換するインタプリタ型言語のため、簡単に実行結果を確認できます。

コンパイラ型の言語は、コーディングした内容全体を機械語に変換する必要があり、エラーが出ると解決できるまで、実行結果を確認できません。

Pythonはコンパイラ型よりも気軽にプログラムを実行できるため、エラー処理で挫折するリスクが低く、初心者も学習しやすいです。

データサイエンティストの求人で条件にされやすい

データサイエンティストの求人では、必須条件・歓迎条件などの項目にPythonを扱えるスキルが記載されやすいです。

条件として記載されていない場合も、「Pythonを用いたデータの分析やデータの抽出などの案件をお任せします」のように、Pythonのスキルが必要とされることがわかる求人も多いです。

Pythonを学んでおけば、データサイエンティストの求人に応募しやすくなるので、キャリア形成の第一歩を進めるのに最適です。

データサイエンティストがPythonでできること

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プログラミング未経験者だと、データサイエンティストにPythonは必要と耳にしても、使い道をイメージできない方がほとんどでしょう。

ここでは、データサイエンティストがPythonでできることを解説します。

データの集計

Pythonはライブラリを使って簡単なコードを入力するだけで、CSVやExcelを読み込んでデータを表示できます。

読み込んでデータを格納したあとは、describe()というコードを活用するだけで、各列の平均や最大値、最小値、標準偏差などの要約統計量を取得可能です。

データのクレンジング

データのクレンジングとは、データの品質を高めてデータ活用で不具合が生じないようにする処理です。たとえば膨大なデータの場合、一部の入力漏れに気づかないで処理すると、計算結果が異常値を示す恐れがあります。

Pythonであれば膨大なデータでも、単純なコードで欠けている部分を探して、そのまま情報を補完できます。

データの可視化

PythonにはMatplotlibというグラフ描画ライブラリがあります。

Pythonでグラフを描画してデータを可視化することで、新たな知見を得ることも可能です。

たとえば、数量の大きい項目から順に並べて累計比率を表示するパレート図を作成できます。「〇つの上位製品だけで全体の売上〇%を占めている」といった分析結果を導き出せます。

そのほか、折れ線グラフやヒストグラム、散布図などを表現して分析することも可能です。

データサイエンティストになるためのPythonの学習方法

データサイエンティストになるためのPythonの学習方法はたくさんあります。

難易度やコストなどが異なるので、自分の境遇に適した方法で学んでみてください。

資格で学ぶ

データサイエンティストになるためのPythonの学習方法として定番なのが資格の取得です。

未経験でPythonを学習しても、会社での開発実績がなければ、スキルレベルを伝えるのが難しいです。

その点、Pythonの資格を取得すれば客観的に一定レベルのプログラミングスキルを証明できます。未経験でデータサイエンティストの求人に申し込んだとき、資格を持たないほかの求職者よりも内定の確率を高められるでしょう。

資格によっては未経験でPythonを学べる対策講座もあります。価格は高くなりますが、講座がセットになった資格も検討してみるとよいでしょう。

入門レベルの本で学ぶ

Pythonを学べるデータサイエンティストの本は難しい印象があるかもしれませんが、意外と入門書が出版されており、初心者でも学びやすいです。たとえば、プログラミングの基本から解説している本もあります。

通販サイトで「Python」のように検索すると、仕事の効率化やゲーム制作など、データサイエンスと関係が薄い本も表示されがちです。「Python データ分析」「Python データサイエンス」などで検索してみると、データサイエンティストを目指すのに役立つ本が見つかりやすくなります。

ただ、Pythonとデータサイエンスを両方学べる本は、Pythonのルールに関する解説が薄くなってしまう場合もあります。必要に応じてPythonのルールを重点的に学べる入門書も活用しましょう。

無料のコーディングツールを使う

Pythonの知識をインプットするだけでは、コーディングスキルは向上しません。実際にコーディングをしたほうが知識の定着度が高まります。

Pythonで気軽にコーディングする方法としては、Google Colaboratoryという無料のコーディングツールを検討できます。

Colaboratoryは、ブラウザでPython を記述・実行できる開発ツールです。Googleアカウントは必要ですが、開発環境を構築する必要がありません。

ファイルタブから「ドライブの新しいノートブック」をクリックすると、コーディング画面に遷移します。

「コーディングを開始するか、AIで生成します。」と表示されている入力欄があるので、実際にコードを入力して、左の三角マークを押すと結果が表示される仕組みです。

たとえば、「print("I study Python")」と入力してボタンを押すと「I study Python」と表示されます。

わずか数十秒~数分でコーディングを試せるので、データサイエンティストになるためにPythonを学ぶ際に活用してみてください。

コンペで学ぶ

実課題でデータ分析しなければ、データサイエンティストになれるイメージが湧きません。

データ分析を実践するならコンペに参加してみましょう。

最近では、企業や行政などが抱えるデータ課題に挑戦できるデータ分析コンペが開催されており、企業に所属しなくてもPythonを用いたデータ分析の実務経験を積めます。

コンペに参加できるプラットフォームとしてはKaggleやSIGNATEなどがあります。

Kaggleはグーグル傘下の企業が提供する世界的権威を持つデータ分析プラットフォームであり、SIGNATEは国内トップクラスの登録者数を誇るデータ課題の解決プラットフォームです。

KaggleやSIGNATEの概要や使い方などは下記の記事を参考にしてみてください。

Kaggleとは? メリットや使い方、勉強法などを解説!【初心者向けのコンペ一覧も掲載】

SIGNATEとは?メリットや使い方、勉強法などを解説!

Pythonを学べるデータサイエンティストの資格

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データサイエンティストになるためのPythonの学習方法として資格の取得をおすすめしました。具体的な資格を知りたい方もいるでしょう。

Pythonを学べる資格はいくつかありますが、データサイエンティストの関連資格となると絞られてきます。

やや難易度が高い資格もありますが、仮に合格できなくてもデータサイエンティストに役立つノウハウを習得できるでしょう。

引き続き、Pythonを学べるデータサイエンティストの資格をご紹介します。

E資格

E資格はディープラーニングの理論をベースにPythonを用いた実装力などを試す資格です。

機械学習や深層学習の基礎をはじめ、確率・統計、画像認識、物体検出などが範囲となっています。

受験にあたって、Python向けの機械学習ライブラリであるPyTorch(パイトーチ)やTensorFlow(テンソルフロー)を選択可能です。

Pythonコードの穴埋め問題が出題され、データを適切に処理するアルゴリズムの知識が問われます。

簡単な試験ではありませんが、文系かつ開発経験なしで合格できたという事例もあります。Pythonの入門から学べるE資格の合格保証付き講座を選ぶことも可能です。

E資格の難易度や勉強方法については下記の記事も参考にしてみてください。

E資格とは? 取得メリットや難易度、勉強方法、G検定との違いなどを解説!

統計検定 データサイエンス発展

統計検定 データサイエンス発展は、PythonとともにAIや統計に関する大学教養レベルの知識を習得できる資格試験です。

試験範囲の「データ構造とプログラミング基礎」は、主にPythonが関連する内容となっており、配列とリスト、構文(変数、代入、計算、分岐、繰り返し)、演算、関数、制御文、入出力などを学びます。インタープリタ言語を用いて簡単なプログラミングができるレベルを目指す内容です。

Pythonだけでなく統計学も含めて学ぶ必要があるため、難易度は決して簡単ではありません。

ただ、情報系学科の学生が合格した事例もあるため、企業での実務経験がない方も合格できる可能性があります。

ちなみに一般価格は6,000円(税込)ですが、学生は学割で4,000円(税込)の価格で受験できます。

統計検定 データサイエンス発展の難易度や勉強時間などの詳細は下記の記事でご確認ください。

統計検定とは? メリットや難易度、勉強時間、データサイエンティストを目指すための学習方法などを解説!

データサイエンティストの資格6選! 難易度や勉強時間、評価なども紹介

Pythonを学べるデータサイエンティストに関する本

Pythonを本で学ぶ方法をご紹介しましたが、データサイエンティストを目指すのに適した書籍が見つからない方もいるかもしれません。

ここでは、Pythonを学べるデータサイエンティストに関する本をいくつかピックアップしてご紹介します。

Pythonで学ぶはじめてのデータサイエンス

Pythonを使いながらデータサイエンスの基礎を学べる本です。

Pythonによるデータ加工、データクレンジング、重回帰分析など、データサイエンスに関するさまざまなテーマを掲載。

データサイエンティストを文理融合の職業として紹介し、必要な能力もまとめています。

数学的なバックグラウンドがなくても概要を理解できるレベルなので、文・理を問わず活用しやすいです。

Pythonで学ぶはじめてのデータサイエンス

よくわかる Pythonデータ分析入門

Pythonによるデータ分析の方法を解説した入門書です。

Pythonでデータ分析するためのライブラリを取り扱っており、ライブラリのインストールをはじめ、データの数値計算や加工、集計、可視化などを学べます。

プログラムの実践例を紹介し、1行1行の動きを解説しているのが親切です。

よく起きるエラーと対処方法まで解説しているので、挫折が不安な方にとって心強いでしょう。

よくわかる Pythonデータ分析入門

データサイエンティストを目指すならPythonとRはどっちがおすすめ?

R言語は、統計データ処理に特化しているプログラミング言語です。

R言語とPythonはいずれもデータ分析を行えるため、データサイエンティストの仕事にどちらも活用できます。実際に未経験者を対象としたデータ分析実践研修で、R言語とPythonの両方でデータ加工と前処理を経験させる企業も見受けられます。どちらを学習すべきか迷う方も多いでしょう。

R言語はデータ分析に用途が限られ、Pythonのほうが活用範囲が広いです。

R言語ではWebアプリの開発はできません。しかしPythonであれば、Webアプリを開発したり、サーバーサイド言語として利用したりできます。

データサイエンティストの仕事はデータ分析だけでなく、機械学習を活用したアプリ開発や、データ基盤の環境構築なども含まれます。データサイエンスチームでバックエンドエンジニアのような働き方が要求されることも少なくありません。複雑なデータを一目で理解できるように可視化するダッシュボードもPythonなら開発できます。

したがって、自分が目指すべきデータサイエンティストの仕事が明確になっていない初心者であれば、ひとまず汎用的に活用できるPythonを学んで幅広い仕事に対応できるようにするのが現実的だといえるでしょう。

データサイエンティストを目指すならPythonのほかにSQLも必要?

データサイエンティストの求人では、PythonだけでなくSQLの言語を見かけることも多いでしょう。

SQLは、データベースを操作するための言語です。SQL文という命令文でデータの検索や取得、登録、更新、削除などを実行できます。

データ分析をするときは、直接データベースからデータを取得するケースも少なくありません。

そのため、データベースを操作するときにSQLのスキルが求められることもあります。

したがって、データサイエンティストになるのであれば、PythonとともにSQLを学んでおくと、求人に応募しやすくなる可能性があります。

データサイエンティストの初心者がプログラミングできないのはNG?

データサイエンティストに必要なPythonというプログラミング言語を解説しました。

「Pythonは難しそう」「できれば学びたくない」と思った方もいるかもしれません。

データサイエンティストになるためにPythonを学ぶ必要はありますが、タイプによって求められる習熟度の度合いは異なります。

たとえば、エンジニアタイプであれば開発業務に比重がおかれるため、Pythonのスキルを深く習得する必要があります。

その一方で、コンサルタントタイプであればデータ活用の提案に比重がおかれるので、エンジニアタイプと比較して、Pythonのスキルはそこまで深くは求められないでしょう。

AIや機械学習に関するITコンサルタントやソリューション営業よりの求人であれば、プログラミングスキルが求められない可能性も十分想定できます。

実際に、AIツールによる業務効率化の提案のみであればPythonをまったく使わない求人もあります。入社後に文系でもわかるようにPythonの基礎をレクチャーする企業も少なくありません。そもそもコンサルタントタイプは業務遂行に手段を限定せず、外注を検討することもあります。

したがって、データサイエンティストを目指す初心者がプログラミングできないのは、完全にNGだと言い切れないでしょう。

データサイエンティストの仕事内容を種類別に詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。

データサイエンティストの仕事内容を種類別に解説!仕事例や向いている人、やめとけ・つらいといわれる理由は?

Pythonの学習に不安がある場合は?

Pythonの勉強方法をご紹介しましたが、人によって最適な学び方は異なります。

自分にあわない学習を続けると、データサイエンティストになるのに余計な時間を要するだけでなく、最悪のケースではキャリア形成に挫折する恐れがあります。

Pythonの学習に少しでも不安がある場合は、現役データサイエンティストにアドバイスをもらうのが建設的です。

ビッグデータラボでは、対話的な指導でデータサイエンティストのキャリア形成をサポートするメンタリングプログラムを実施しています。実務経験豊富な専門家が一人ひとりの課題に応じた学習カリキュラムを提案するため、Pythonを効率的に学ぶ方向性も見えてきます。

無料相談を受け付けているので、Pythonの学習につまずいてしまった方や、無駄な勉強をしていないかチェックしたい方は、気軽にお問い合わせください。

ビッグデータラボのメンタリングプログラム

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まとめ

本記事では、データサイエンティストに必要なPythonの概要をはじめ、未経験から目指すのに最適な理由、学習方法などを解説しました。

Pythonは、データ分析やAIの開発などに適した汎用プログラミング言語です。記述コードが短く、ライブラリが豊富なので、初心者でもデータサイエンスの手法をスムーズに習得しやすくなっています。

入門レベルの本や無料で使える開発ツールもあり、気軽に学習を始められます。資格取得やコンペ参加に挑戦すれば、実用的なプログラミングスキルも習得できるでしょう。

Pythonの学習方法を誤るとデータサイエンティストを目指すのが難しくなります。必要に応じて専門家によるメンタリングも検討してみてください。