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AIコーディングとは?メリット・デメリット、おすすめの無料ツールを紹介!

AIコーディングとは?メリット・デメリット、おすすめの無料ツールを紹介!

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AIの進化により、誰でもプログラミングを始めやすい時代が到来しました。とくにAIコーディングと呼ばれる手法は、プログラミング初心者や文系出身者にとって心強い存在です。

最近では、生成AIに要望を伝えるだけで、アプリや機能に応じたコードを自動で作ってくれるようになりました。「自分でコードを書かなくてもよくなるのでは?」と感じる人も増えています。

本記事では、AIコーディングの基本から自動化できる作業、メリット・デメリット、おすすめツールや学習法までをわかりやすく解説します。AIと共に進める新しいプログラミング学習の第一歩として、ぜひご覧ください。

AIコーディングとは?

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AIコーディングとは、人工知能(AI)を使ってプログラミング作業を支援・自動化する手法です。特に近年は生成AIが登場し、自然言語で指示するだけでコードを自動生成・補完できるようになりました。

従来のAIは決められた処理の自動化が中心でしたが、生成AIは新しいコードをゼロから作れるのが特徴です。人間がやりたいことを伝えると、AIが対応するコードを提案してくれます。こうした仕組みは「生成AIコーディング」とも呼ばれます。

ただし、AIが出力するコードは必ずしも正確ではないため、最終的な確認や修正は人間の手が必要です。それでもゼロから書く負担が減るため、開発の効率化や初心者支援の手段として注目を集めています。

AIコーディングで自動化できること

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AIコーディングによって自動化・支援できる主な機能には、以下のようなものがあります。それぞれどのようなことが可能かを順番に解説します。

コード補完(オートコンプリート)

開発者がコードを書いている最中に、次に書くであろう内容をAIが予測して提案してくれます。例えば、カーソルの位置に続くコードが薄いグレーの文字で表示され、「Tab」キー一つでその提案を受け入れられます。

関数名や変数名だけでなく、時には複数行に渡る処理まで一気に補完されるため、タイピング量が大幅に減りコーディング速度が上がります。人間が書きかけのコードをリアルタイムで読み取り、続きを一瞬で自動入力してくれるイメージです。

コード生成

自然言語で書いた仕様や要件に基づき、新たなコードを一から生成できます。例えば「ユーザー登録フォームを作って」とAIに依頼すると、フォームUIやバリデーション処理を含むHTML/JS(あるいは対応するフレームワークのコード)を自動で作り出してくれる感じです。

ChatGPTに「〇〇なアルゴリズムのPythonコードを書いて」と尋ねれば、該当するコード全体を返してくれます。実際の現場でも、定型的な繰り返しコードをAIに任せて雛形を出力してもらう使い方が一般的です。開発者は生成されたコードをベースに細部を修正・追記することで、ゼロから書くより格段に素早く実装できます。

バグ検出(デバッグ支援)

AIがコードを解析し、バグの原因になりそうな箇所やエラー箇所を指摘してくれます。例えば、プログラムを実行して出たエラーメッセージをAIに伝えると、「このエラーは○○が原因です。該当箇所は△△なので修正が必要です」といった具合に、原因追及と対策のヒントが得られます。

さらに高度な例では、ソースコード全体をAIに読み込ませて「バグになりそうなロジックはない?」と質問することで、潜在的な不具合やセキュリティ脆弱性を洗い出すことも可能です。

人間の目では見落としがちなミス(例えばスペルミスや境界条件の抜け)もAIがパターンマッチングで検出して自動修正してくれるケースがあります。

コード修正(バグ修正・リファクタリング)

AIはバグを見つけるだけでなく、不具合の修正案まで提示できます。たとえば「このエラーを解消するにはコードのどこをどう直せばいい?」とAIに尋ねれば、問題の箇所を指摘した上で修正版のコードを提案してくれます。「ここの変数のスコープを変更しましょう」「この関数の戻り値の型がおかしいです」など、修正すべき点を具体的に教えてくれるのです。

また、特に不具合でなくとも「このコードをより効率的・保守的に改善して」と依頼すればリファクタリング(コードの書き直し)案も出力されます。

実行結果が同じであれば、冗長な処理を簡潔にまとめたコードをAIが再生成してくれるため、コード品質の向上にも役立ちます。

ドキュメント生成

AIはソースコードの内容を理解し、コードの説明やドキュメントを自動生成することも得意です。関数やクラスに対して「この処理の目的を説明するコメントを書いて」とお願いすれば、適切なDocstring形式でコメントを書いてくれたり、コードを日本語で要約してくれたりします。

さらに大規模なものでは、APIドキュメントやユーザーマニュアルのドラフトを作成するAIツールも存在します。AIにドキュメンテーションを任せることで、開発者の手間を省くだけでなく、読み手(チームメンバーやユーザー)にとって分かりやすいドキュメントを素早く整備できます。「コードを書いたら説明書きもAIにお任せ」といった形で、記述漏れや説明不足の解消にもつながります。

テストコード作成

実装したコードに対するユニットテストや結合テストのコードを自動生成させることも可能です。

例えば「この関数をテストするpytestのコードを書いて」と依頼すれば、想定される入力値と期待出力に基づいたテスト関数の雛形を生成してくれます。AIは一般的なバグパターンやエッジケースも学習しているため、開発者が思いつかないようなテストケースを提示してくれることもあります。

実際、CursorというAIエディタにはファイルを選択してCtrl+Iを押すだけでそのコードのテストコードを0から生成する機能も搭載されています。AIによるテストコード自動化を活用すれば、テスト書き漏らしを防ぎ、品質向上と開発効率化を同時に図れます。

AIコーディングのメリット

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AIコーディングを取り入れることで、開発現場や学習者は多くの恩恵を受けられます。ここでは主なメリットを具体的に見てみましょう。

開発効率・生産性・品質の向上

最大の利点は、コーディングにかかる時間と労力が大幅に削減されることです。

AIが定型部分を自動生成・補完してくれるおかげで、人間はゼロからすべてを書く必要がなくなり、その分スピーディーに実装できます。事実、「AIと協働することで“書かなくていいコード”に費やす時間が減り、本当に書くべき部分だけに集中できるようになった」という声もあります。

結果として、より多くの機能を短期間で開発できたり、納期に余裕が生まれて品質向上に時間を充てられたりするのです。また、AIによるコード提案は開発中のフローを中断させない効果もあります。多くのユーザーが「AI補完のおかげで集中力が途切れにくくなった」と感じており、これも生産性と開発者体験の向上につながっています。

初心者がプログラミングを学べる

プログラミング初学者にとって、AIコーディングはまさに「先生」のような存在です。最近では初心者でもAIアシスタントを気軽に使える環境が整いました。高度なAIモデルによるリアルタイム補完により、「何を書けばいいか分からない…」という場面でもAIが次の一手を示してくれるので、コードを書くハードルが格段に下がります。

自分で一から書かなくても文脈に合った提案が得られるため、「プログラミングの独学で挫折しがち」という人もモチベーションを維持しやすくなるでしょう。また、AIは難解なエラーメッセージを日本語で解説したり、分からない用語を質問すれば噛み砕いて教えてくれたりもします。まさにいつでも隣にいるメンターのように初心者をサポートしてくれるのです。

こうした支援のおかげで、文系出身で数学・プログラミングに自信がなかった方でも、AIと一緒に進めることで効率よくスキルを身につけられるケースが増えています。

残業を減らせる

AIコーディングを活用することで、業務時間内に終わらなかった作業の多くを効率化できるようになります。 とくに日々の開発において発生する定型作業や単調なコードの記述、テストコードの作成などは、AIに任せることで大幅に時間を短縮できます。

従来であれば残業にまわしていたタスクを業務時間内に終えやすくなり、労働時間の削減につながります。

AIを使うようになってから毎日30分以上の短縮になったという声もあり、特に中小企業や少人数チームにとっては、慢性的な時間不足の改善にもつながる手段です。

創造的な仕事への集中

AIがルーチン的なコーディング作業を肩代わりしてくれることで、開発者はより創造性が求められるタスクに時間と頭脳を割けるようになります。例えばUI/UXの工夫や新機能のアイデア出し、システム全体のアーキテクチャ設計といった部分です。

AIコーディング導入後は「自分は重要なロジック設計に専念し、細かい実装はAIに任せる」という役割分担も可能になります。その結果、今まで以上に「本質的な問題解決」や「クリエイティブな発想」に注力できるようになるのです。企業にとっても個人にとっても大きなメリットでしょう。AI時代に求められるのは「全部自力で書けること」よりも「AIを使って何を生み出せるか」という視点だと言われます。AIコーディングはまさに、そうした創造的挑戦を後押しするための強力なパートナーなのです。

AIコーディングのデメリット

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一方で、AIコーディングには留意すべき課題やデメリットも存在します。メリットと表裏一体の部分でもあるので、事前に把握して適切に対処することが重要です。

出力コードが正しいとは限らない

生成AIは膨大なデータから「それらしい回答」を作り出す仕組み上、時に事実と異なる回答や間違ったコードをもっともらしく生成してしまうことがあります。俗に「AIの幻覚(ハルシネーション)」と呼びます。

例えば、文法的には正しそうでも実際には動作しないコードや、非推奨の古いコードを出力するケースが報告されています。AIの回答を鵜呑みにしてコーディングを進めると、気づかぬうちにバグやセキュリティホールを埋め込んでしまう危険があります。そのため、AIが書いたコードであっても必ず人間がテスト・レビューを行うことが不可欠です。

特に複雑なアルゴリズムやプロジェクト固有の要件に関しては、AIは誤った推論をしやすいので要注意です。要するに、「出力されたコード=正解」ではない点を常に念頭に置く必要があります。

システムの破綻リスクがある

AIコーディングが得意とするのは単機能のコード生成や小規模な修正提案など、比較的スコープの狭いタスクです。システム全体の整合性やアーキテクチャ設計といった大局的な複雑性の管理は依然として人間エンジニアの役割となります。

むしろ、AIに頼りすぎて機能を継ぎ足し続けるとバグが増加し、システム全体が破綻する「ピット・オブ・デス(死の落とし穴)」に陥りやすいとも指摘されています。ソフトウェア開発において無秩序に機能追加を続けた結果、複雑性が限界点を超えて収拾がつかなくなる現象です。

AIは単体のコード生成には優れていても、プロジェクト固有の文脈や長期的な保守性を深く理解して判断することができません。したがって、大規模開発ではAIの提案を人間が統制・取捨選択し、設計の整合性を保つことが不可欠です。AIはあくまで強力な補助輪であり、最終的な舵取りはエンジニア自身が行う必要があります。

スキル低下・思考停止のリスク

AIに頼りきりでコーディングしていると、開発者自身のプログラミングスキルが育ちにくくなる恐れがあります。特に初心者の場合、本来プログラミング学習で身につけるべき問題解決能力やロジック思考を飛ばして結果だけ得てしまうと、「なぜそう書くのか」を理解しないまま進んでしまいがちです。

「AIが全部やってくれるから自分は考えなくていい」と思考停止に陥るのは危険で、いざAIが間違えたときに対処できなくなってしまいます。AIコーディングはあくまで自転車の補助輪であり、最終的には自分の力でコードの意味を読み取り、軌道修正できるようになることが理想です。

現に「AIがいればコードは書けなくても良いが、コードを読める力がないとAIを使いこなせない」とも言われています。したがって、AIに任せる部分と自分で考える部分を意識的に切り分け、AIを使いつつも基礎的なコーディング力を磨く努力は続ける必要があります。

セキュリティ・プライバシーの懸念

AIコーディングを利用する際は、自分の書いたコードやプロジェクト情報をクラウド上のAIサービスに送信することになります。これは極端に言えば「自分のコードを第三者(AI提供企業)に渡す」行為です。機密性の高いソースコードや個人情報を含むデータをAIに入力すれば、万一サービス側から情報漏えいした場合に重大な損害を招きかねません。

また、入力したコードがAIの学習データに再利用される可能性も指摘されています。その場合、将来的に他のユーザーが似たコードを生成した際に自社コードの一部が露出するリスクもゼロではありません。実際の対策としては、社外秘のコードはAIにかけない、どうしても使う場合はオンプレミス型や日本企業提供のサービスを検討する、といったことが挙げられます。

個人で使う際も、「このコードは流出したら困る」というものはAIに入力しないほうが無難でしょう。便利さと引き換えにこうしたセキュリティリスクがある点は念頭に置く必要があります。

著作権侵害のリスク

生成AIは過去の公開ソースコードなどを学習しているため、出力したコードが訓練データ中の既存コードと酷似してしまう場合があります。極端な場合、他人のコードをほぼそのまま出力してしまい、知らずにライセンス違反・著作権侵害となる恐れも指摘されています。

特にGPLなど厳しいライセンスで保護されたコード片が混入すると法律上の問題が生じます。この問題に対処するには、AIの利用規約で生成物の権利について確認したり、出力コードを安易にコピペせず自分で書き直すなどの工夫が必要です。

企業でAIコーディングを導入する場合も、社内ガイドラインで「AI出力のコードは必ずレビューする」「著名なアルゴリズムについては安易に使わない」といったルール策定が推奨されます。要するに、AIの便利さの裏に法的リスクが潜む点も理解しておくべきです。

AIコーディングの事例

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AIコーディングは現在、様々な開発現場や学習シーンで活用が進んでいます。ここでは具体的な利用シーン・事例をいくつか紹介します。一般的な開発工程での使い方イメージとして捉えてください。

Webサイト開発への活用

フロントエンド・バックエンドを問わず、Web開発の効率化にAIコーディングが役立っています。例えば問い合わせフォームを実装する際、開発者が仕様をプロンプトに書くだけでHTMLやサーバーサイドのコードをAIが自動生成してくれます。

デザインカンプ(画像)をAIに読み込ませて対応するHTML/CSSを生成することも可能で、コーディングとコーディネート作業が大幅に短縮されます。また、Web開発では頻繁に出てくるログイン認証やCRUD処理など定型的な部分も、AIにテンプレートを作らせてから細部を調整するといった使い方がされています。新人エンジニアでも要件を日本語で書けばある程度の骨組みコードが得られるため、立ち上がりがスムーズになるという声もあります。

モバイルアプリ開発への活用

スマホアプリの実装にもAIコーディングが活用されています。例えば画面レイアウトXMLやSwiftUI/Jetpack ComposeコードをAIに生成させれば、ボタン配置や画面遷移のコードを自動作成できます。

さらに、バックエンドAPIとの通信部分(HTTPリクエスト送信やJSONパース処理など)も「○○APIと連携するコードを書いて」と頼めば雛形を出力してくれます。中にはユーザーの利用状況データを分析して最適なUIデザインを提案してくれるAIツールもあり、デザイン面でもAIがサポートするケースが出てきています。開発者は細かなUI実装に煩わされることなく、アプリ固有のロジック開発に集中できるようになります。

ゲーム開発への活用

意外に思われるかもしれませんが、ゲーム制作でもAIコーディングが部分的に取り入れられています。例えばRPGゲームのキャラクター設定やストーリー台本、アイテムデータなど、膨大な定義が必要な部分にAI生成を用いるケースがあります。実際のコードというよりはスクリプトやデータベースへの入力支援ですが、「○○という世界観のアイテムリストを100件生成して」と指示して、アイテム名・効果・説明文の一覧をAIに作らせることもできます。

さらに、キャラクター同士の会話シナリオをChatGPTに考えさせ、その結果をゲーム内テキストに組み込むといったシナリオライティング補助も行われています。

こうした自動化で、ゲーム開発者はプログラミング以外のクリエイティブ作業(世界観作りやゲームバランス調整)により多くの時間を割けるようになります。

データ分析・AI開発への活用

データサイエンス分野でもAIコーディングは強い味方です。例えば機械学習用の前処理コード(データの読み込み・クリーニング・可視化)をAIに書いてもらうことができます。「CSVファイルを読み込んで統計量を表示するコードを書いて」「このデータの異常値検出処理をして」と依頼すれば、PandasやNumPyを用いたPythonコードを自動生成してくれるでしょう。

専門知識がない初心者でも、AIが提案するコードを実行し結果を確認しながら学習を進められるため、手軽にデータ分析を始められるメリットがあります。さらに、TensorFlowやPyTorchといったフレームワークのコードも「画像分類モデルを構築して」といった抽象的指示で雛形を作成可能です。

データサイエンス未経験者でもAIの助けを借りて簡単な機械学習モデルを試作できるようになっています。

AIコーディングツールの種類

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現在、AIコーディングを実現するツールやサービスは数多く存在しており、それぞれ特徴があります。大きく分けると、以下のような種類に分類できます。

コード補完型

エディタやIDEに組み込んで使用するタイプのAIで、開発中にリアルタイムでコード補完・提案を行うものです。代表例はGitHub社のCopilotで、プログラマーがコードを書いていると次に書く内容を一文~数行程度提案してくれます。

他にもAmazon CodeWhisperer(AWSが提供、個人利用は無料)、オープンソースのCodeium(無料で使えるCopilot代替)、かつてのTabnine(現在はLLM版も提供)などが挙げられます。

これらは主に開発者のエディタ内で自動補完や即時のコード生成を行うことで、コーディング速度を飛躍的に高める役割を果たします。

チャット型

ChatGPTやAnthropicのClaudeなど、チャットボット形式でコード生成や質問応答を行うタイプです。ユーザーが自然言語で「○○を実現するコードを書いて」「エラーメッセージの意味を教えて」と質問すると、AIが回答やコードスニペットを返してくれます。チャット型は単独のウェブUIや専用アプリ上で動作し、広範な知識を活かしてコーディング以外の質問にも答えられる点が特徴です。

例えばChatGPTはプログラミング以外の一般知識も豊富なので、「あるアルゴリズムの計算量は?」「このAPIの使い方は?」といった質問もOKです。一方でエディタ統合型に比べリアルタイム性は低いですが、対話を通じて詳細な仕様を詰めたりコードレビューを依頼したりといった高度なやりとりができます。

近年はChatGPTにコード解説させながら学習する初心者も増えており、対話型AIはプログラミングの家庭教師的な役割も果たしています。

AI統合開発環境型

エディタ自体にAI機能が深く組み込まれた開発環境も登場しています。例えばCursorはVisual Studio CodeをベースにAI支援機能を統合したコードエディタで、チャット対話や高度なコード補完、複数ファイルにまたがるリファクタリング提案などがシームレスに行えます。

他にもReplit Ghostwriter(オンラインIDEにAI補完を統合)、Sourcegraph Cody(リポジトリ全体を理解して質問に答えるAI)などが挙げられます。

AI内蔵型の利点は、開発フロー全体にAIが組み込まれているため、プラグイン追加の手間なくすぐにAI機能を活用できることです。

Cursorなどでは「Manual・Ask・Agent」といったモードがあり、簡単な補完から自動修正、さらにはエージェントによる高度な自動化まで切り替えて使えます。エディタとAIの一体化により、コーディング→AI提案のサイクルがこれまで以上にスムーズになっています。

エージェント型

開発タスクの一連の流れをまとめて自動化しようとするAIです。例えばGitHub Nextが公開しているCopilot Labs/Sparkは、自然言語の要件を受け取ってプロジェクトの雛形作成からPull Request生成までを自動で行う試みです。

他にもDevinSmol-Developerなど、対話しながら複数ファイルに渡るコードを書き上げようとするエージェントAIが登場しています。これらは「マイクロアプリを丸ごと一つ作る」といった大きな目的を与えると、依存関係の解析→コード生成→テスト実行→修正…というサイクルを自律的に回します。

実際にCursorのエージェント機能では、Claudeというモデルを使って1分半ほどでウェブサイト改修を自動でやってのけた例も報告されています。現在のところ、エージェント型には不安定さや誤作動も多く、深刻な限界に直面しています。あくまで「次世代の可能性」として注目される分野ですが、将来的にはエージェントAIが開発の大部分を担う未来も来るかもしれません。

無料で使えるおすすめのAIコーディングツール

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手軽にAIコーディングを始めるなら、まずは無料で使えるツールから試してみるのがおすすめです。ここでは主要な無料(または無料プランのある)AIコーディングツールを紹介し、対応言語や機能、用途、料金プランなどを簡単に比較します。

ツール名
対応言語
主な機能
用途・特徴
料金
GitHub Copilot Free
Python, JS, Javaなど主要言語
コード補完、簡易チャット提案
VS CodeやJetBrainsに統合、初心者支援◎
無料(月2000回補完・50回チャットまで) ※以降は有料プラン(月10ドル)
Amazon CodeWhisperer
Python, Java, JS, C# 他多数
コード補完、セキュリティスキャン
VS Code他プラグイン(AWS提供)。AWSサービスとの親和性大
無料(個人利用無制限。月50回までセキュリティ検査付き)
Codeium
Python, C, Java, JS, 他20言語以上
コード補完、高度チャット機能
各種IDE拡張あり。完全無料のCopilot代替
無料(使用制限なし)
Cursor
Python、JavaScript、HTML、CSS、Go、Rustなどの主要言語
AI補完、チャット、エージェント実行
AI統合エディタ。マルチモデル対応(GPT-4, Claude等)
無料プランあり(月2000回補完・50回リクエスト)※プレミアム有(高速・無制限)
ChatGPT
ほぼ全て
対話型コード生成・デバッグQ&A
ブラウザで動作。コード以外の質問も可能
無料(GPT-3.5モデル) ※GPT-4モデルは有料(サブスク)
Claude
Python, JS 他ほぼ全て (英語指示が得意)
対話型コード生成(超大容量コンテキスト)
Slack経由等で利用可。長文や大量コード解析に強み
無料(公式サイト要登録、1日あたり制限あり)

※上記は2025年5月時点の情報です。各サービスの仕様や料金は変更される可能性があります。

簡単に各ツールのポイントを説明します。

GitHub Copilot Free

かつて有料のみだったCopilotに、現在は無料版が登場しました。VS Codeなどに拡張機能を入れることで利用でき、月あたり2000回の補完と50回のチャット機能(Copilot Chat)が使えます。

高度なAIモデル(GPT-4ベースやAnthropic Claude 3.5など)を用いており、文脈に沿った高精度な補完が魅力です。初心者にとっては「入力途中から次に書くべきコードをどんどん提案してくれる頼もしい相棒」で、上級者にとっても定型コード記述の手間を省く強力なツールです。

無料枠を超えると有料(月10ドル〜)ですが、まずは無料で十分試せます。

Amazon CodeWhisperer

AWSが提供するAIコード補完ツールで、個人利用の場合は完全無料・無制限で使えます(AWSアカウントではなくメール登録で利用可)。VS CodeやJetBrainsにプラグインを入れて使い、補完精度はCopilotと同等レベルとの評価もあります。

特徴はコード中の潜在的なバグや脆弱性を検知し警告してくれるセキュリティスキャン機能があること(個人版は月50回まで)。対応言語も幅広く、特にPythonやJavaなど主要言語はしっかりカバーされています。クラウドサービスのAWSに統合しやすいため、既にAWSを使っている人には親和性が高いでしょう。

Codeium

無料で使えるオープンソース系のコード補完AIです。「完全に無料のCopilot」として人気があり、Visual Studio Code(VS Code)という開発用ソフトに専用の拡張機能を追加するだけで、簡単に使い始められます。特別な設定や難しい操作は必要なく、WebサイトからCodeiumの拡張をインストールすれば、すぐにコード補完が有効になります。 20以上の言語に対応しており、複数行のスマート補完やコメント指示からのコード生成も可能です。Codeium自体はクラウド上のAIサービスですが、利用にあたって個人情報不要で手軽に始められます。

エラー箇所の自動修正やチャットボットによるコード提案機能も搭載しており、有料級の機能を無料で開放している点が魅力です。Copilot導入に二の足を踏んでいた人や、社内規定で特定クラウドにコードを送れない人が試すケースもあります。

Cursor

AIを組み込んだ次世代コードエディタです。見た目・操作性はVS Codeに近いですが、エディタ内にChatGPT風のアシスタントがおり、選択中のコードへの指示(修正・改善・説明など)を気軽に会話形式で行えます。またカーソル位置からの多行補完や、ファイル全体をまたいだリファクタリング提案など、AIがエディタと深く統合されています。

利用モデルとしてGPT-4やClaude 3.7など複数を選べます。無料プランでも月2000回の補完と50回の高度なリクエストが可能で、個人開発なら十分試せるでしょう。

エージェントモードでは要件を与えるとファイル作成からテスト実行まで自動化する実験的機能も搭載しており、最新のAI開発体験をしたい人におすすめです。

Cursorの概要や無料でできること、使い方などを詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。

Cursorとは?無料でできることや使い方、設定、料金、インストールの流れを解説!

ChatGPT

OpenAIが提供する対話型AIで、直接はIDE統合ではありませんがコード生成に広く利用されています。

Webブラウザから利用でき、無料版はGPT-3.5モデルですがPythonやJavaScriptはもちろん、ほぼ全ての主要言語のコードを生成・解説できます。例えば「このエラーの原因は?」「◯◯アルゴリズムをRubyで実装して」といった質問に的確に答えてくれるため、スタックオーバーフローやリファレンスを検索する代わりにChatGPTに聞く開発者も多いです。

「プログラマーのググりに代わるもの」とも言われ、環境構築のトラブルシュートから正規表現の作成まで幅広く役立ちます。GPT-4を使う有料版(ChatGPT Plus)もありますが、まずは無料で気軽に試せるので、コーディング以外の調査含め万能相談役として活用してみると良いでしょう。

ChatGPTの概要とできることについて詳しく知りたい方には下記の記事も参考になります。

ChatGPTとは?何ができる?ウソ回答にならない使い方解説

Claude

ChatGPTの競合となる高性能チャットAIです。現時点で日本では知名度はChatGPTほど高くないかもしれませんが、10万トークンという非常に長い文脈を扱える点が強みです。長大なコードファイルやログを読み込ませて分析させるなど、ChatGPTでは難しい大規模入力に向いています。

Slack経由の無償利用枠や、公式サイト(claude.ai)での無償チャット提供があり、登録すれば簡単に試せます。コード生成能力も高く、複雑なプログラムも一度に提案できることから、一部の開発者には「大量のコードリファクタリングをさせるのにClaudeが便利」と評価されています。

現状はUIが英語ですが日本語入力も概ね通じます。長文の仕様書や複数ファイルを丸ごとAIに食わせて考察・修正案を得たい場合に、Claudeは強力な選択肢となるでしょう。

Claude 3.7 sonnetという最新AIモデルについては下記の記事で無料でできることや作れるアプリなどを詳しく学べます。

Claude 3.7 sonnetとは?無料でできること、料金、制限、作れるアプリなどを解説!

AIコーディングを始めるのにおすすめの言語はPython

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AIコーディングを始めるなら、Pythonを選ぶのがおすすめです。文法がシンプルでわかりやすく、初学者でも学びやすい言語として広く支持されています。実際、世界中の多くの入門書や学習サービスがPythonを採用しています。

また、生成AIの多くはPythonのコードを大量に学習しており、補完や自動生成の精度が高い点も特徴です。GitHub CopilotやChatGPTといったツールも、Pythonに特化した例が多く、AIとの相性が非常に良好です。

さらに、PythonはAI開発やデータ分析にも広く使われており、NumPyやTensorFlowなどの豊富なライブラリが用意されています。AIの提案どおりにコードを書けば、すぐに動作確認できる点もメリットです。これからAIと一緒に学ぶなら、Pythonは最も実用的な選択肢です。

Pythonの概要が学習方法については下記の記事をご覧ください。

データサイエンティストに必要なPythonとは?学習方法やR・SQLとどっちを学ぶべきかを解説!

AIコーディングが学べる本

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最後に、AIコーディングについて体系的に学びたい方向けに、日本語で読めるおすすめの書籍を紹介します。初心者から実践者まで役立つ本をピックアップしました。

『コード×AI ― ソフトウェア開発者のための生成AI実践入門』(技術評論社)

生成AIをコーディングにどう活用できるかを解説した入門書です。GitHub CopilotやChatGPTを例に、コード生成・テスト・デバッグ・ドキュメント作成など開発プロセス各所でのAI活用法が具体的に示されています。

AI導入による開発効率向上やコード品質改善のノウハウが網羅され、現場で使える実践的知識が身につく一冊です。さらに技術的背景や今後の発展性・倫理的課題にも触れており、AI時代のエンジニアの心得も得られます。中〜上級者向けですが、AI活用の全体像を掴みたい人に最適です。

『AIエディタCursor完全ガイド ― やりたいことを伝えるだけでできる新世代プログラミング』(翔泳社)

次世代AI統合開発環境であるCursorに特化した解説書です。基本的な使い方から高度な活用方法まで網羅しており、豊富な実例を通じてCursorの様々な機能(コード補完、バグ修正、リファクタリング等)を学べます。

自然言語指示でコード生成・編集できるCursorならではの効率的開発手法が紹介されていて、「AIと対話しながら書く」新感覚のプログラミングを体験できるでしょう。内容は一部初心者には難しいところもありますが、章ごとに丁寧な解説があり、AIプログラミングにチャレンジしたい人には実践的な指南役となる本です。

『ChatGPTと一緒に、仕事効率化アプリをつくる方法』(クロスメディア・パブリッシング)

「プログラミングなんて自分には無理…」と思っているビジネスパーソンに向けて、ChatGPTを使ってノーコード感覚で簡単な業務アプリを作る方法を解説したユニークな本です。

ChatGPTの登場で「コードを書く時代から読む時代へ」と言われる中、自分が作りたいアプリを最短で作るためのプロンプト例や手順が示されています。

在庫管理や案件管理などの簡易アプリを題材に、すべてのプロンプトと生成コードを丁寧に解説しており、「AIにコードを書かせ、出力を読み取って修正指示する」というプログラムリーディングメソッドも紹介されています。ChatGPTが得意とするプログラミング活用術を平易に学べる良書です。

『ChatGPTと学ぶPython入門 「Python×AI」で誰でも最速でプログラミングを習得できる!』(翔泳社)

AI(ChatGPT)の助けを借りてPythonプログラミングを学ぶための入門書です。単なるPython入門に留まらず、「Pythonの基礎知識+プロンプトプログラミング」を1冊で学べる構成が特徴で、「AIに全て任せるのではなく、自分でも基礎を身につけながら自動でコード作成できるようになる」ことを目指しています。

具体的には、Pythonの文法解説と並行してChatGPTへの効果的な指示の出し方を学び、簡単なアプリを作り上げる流れです。初心者がつまずきがちなポイントもAIと対話しながら乗り越える術が書かれており、楽しみながら最速でコードを習得したい方にピッタリです。

『ChatGPTプログラミング1年生 Python・アプリ開発で活用するしくみ』(日経BP社)

ChatGPTの仕組みから効果的な使い方、さらにはChatGPTをPythonプログラミングやアプリ開発に活用する方法まで幅広く解説した入門書です。「ChatGPTってどう動いているの?」「PythonでChatGPTを使うには?」「便利なChatGPTアプリを作りたい!」といった初歩的な疑問に答える形で進むため、対話形式でスラスラ読めます。

実際にChatGPT APIを使って簡単なアプリケーションを作るハンズオンも含まれており、AIサービスを自分で開発してみたい人の第一歩にもなります。「AIと一緒にプログラミングを学ぶ楽しさ」が詰まった一冊で、特に学生や社会人の副業学習にもおすすめです。

まとめ

AIコーディングは、生成AIの力を借りてコードの補完・生成・修正を行う、新しいプログラミング手法です。繰り返し作業をAIに任せることで、開発効率が向上し、初心者でもコードの理解が進みやすくなります。

一方で、誤ったコードの混入やスキルの低下など注意点もありますが、正しく使えば非常に強力な支援ツールとなります。

これから学ぶなら、シンプルでAIとの相性が良いPythonから始めるのが最適です。AIとの協働により、学びの幅と開発の可能性が大きく広がっていくでしょう。

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