AI資格は就職・転職で役立つ?選び方やおすすめの資格9選を紹介!
あらゆる業界でAIの需要が高まっており、AI資格に興味を持った方もいるでしょう。ただ、AI資格が就職・転職で役立つのか、不安になることもあります。結論として、AI資格は就職・転職で役立ちます。今回は、AI受託開発事業者の立場から、AI資格に関する基礎知識、選び方などをおさらいしたうえで、就職・転職におすすめの資格をご紹介します。各資格が実際に就職・転職で優遇されているのか、求人での需要についてもまとめました。AI資格を取得すべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
※資格の難易度に関しては、本記事でご紹介するAI資格の勉強時間などを比較したうえで、相対的に判定した内容となっております。個別に評価した難易度と異なる場合がある点はご理解ください。
AI資格の取得前に知っておきたい基礎知識
AIはトレンドの技術であり、取得して損はないと思うかもしれません。
しかし、AI資格を無目的で取得すると、思ったように資格を生かせず、お金と時間を無駄にして後悔することもあります。AIの意味やビジネスでの活用、役立つ職種、資格の選び方などを知っておくことが重要です。
早速、AIの資格を取得する前に知っておきたい基礎知識から解説します。
AIの意味
AIとは、artificial intelligenceの略称であり、人工知能をさす言葉です。
明確な定義は存在していませんが、一般的には、学習や推論、判断など、人間と同じような知的能力、知的振る舞い、頭脳活動などを実現するコンピューターシステムを意味します。
基本的には、コンピューターにデータを学ばせる機械学習によって、AIシステムを作ります。たとえば、犬を示す正解画像を学ばせることで、システムが犬かどうかを判断できる画像認識AIシステムを構築可能です。
機械学習の意味を詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。
データサイエンティストに必要な機械学習とは? 意味・定義、深層学習との違い、勉強方法まで解説!
ビジネスでの活用
すでにビジネスでもAIが活用されるようになり、業務の効率化が進んでいます。たとえば、WebサイトにAIチャットボットを導入したり、受付に音声対応AIサイネージを導入したりするのがよい例です。あたかも人間のように、訪問者からの質問に最適な回答を生成して、自動で応答します。
ビジネスにAIを導入する仕組みを提案あるいは開発できるスキルを資格で証明できれば、就職や転職を有利に進められるでしょう。
AI資格が役立つ職種
AI資格が役立つ職種として代表的なのが、データサイエンティストとAIエンジニアです。いずれもAIを業務に活用する職業ですが、業務の範囲が異なります。それぞれの詳細は下記の通りです。
- データサイエンティスト
データサイエンティストは、データ活用による業務変革や新規ビジネス創出を実現するために、データ収集・解析の環境を実装して運用する職業です。
データ分析のために機械学習を用いるため、AIの知識やスキルも必要になります。分析手段を限定せず、機械学習以外に統計、データベースなどの知識も必要です。また、分析結果からデータ活用を提案する企画力やコンサル力、プロジェクトマネジメント力など、ビジネススキルも求められます。
データ分析に関する幅広い手段が学べるAI資格や、ビジネススキルまで習得できるAI資格などが最適です。
データサイエンティストの仕事や必要なスキルなどを知りたい方は下記の記事もご覧ください。
データサイエンティストの仕事内容を種類別に解説!仕事例や向いている人、やめとけ・つらいといわれる理由は?
データサイエンティストとは? 仕事内容や必要なスキル、平均年収、将来性、需要などを簡単に解説!
- AIエンジニア
AIエンジニアは、AIを活用したシステムを開発する職業です。
音声認識や画像認識などのシステムをはじめ、サーバーの負荷をAIで分析・予測するシステム、AIによるマッチングシステムなどを開発します。
AIシステムの完成には機械学習が不可欠です。そのため、AIエンジニアは機械学習エンジニアと呼ばれることもあります。
AIエンジニアを目指すのであれば、機械学習に特化したAI資格が適しているでしょう。
AI資格の選び方
AI資格を選ぶときに重要な基準が、開発スキルと活用能力のどちらを重視するかです。
AI資格は、AIの開発スキルやAIに関連する高度な専門知識などを証明できる「スペシャリスト系資格」、AI全般の理解度や活用能力などを証明できる「ジェネラリスト系資格」に分かれています。
AIの活用を提案する職種であればジェネラリスト系資格を選ぶ必要があります。反対にAI開発、プログラミングスキル、画像処理の専門知識などが求められる現場であればスペシャリスト系資格が最適です。
目指す職種を明確にしたうえでAI資格の取得を検討しましょう。
就職・転職に役立つおすすめのAI資格【ジェネラリスト系】
AIに関する資格は実にさまざまです。同じAIに関する資格でも、AI以外に学べる内容が細かく異なるため、キャリア形成に役立つ資格を慎重に見極める必要があります。
まずは就職・転職に役立つジェネラリスト系のAI資格について、概要や勉強時間、難易度、受験料金などの基本情報からご紹介します。
具体的な掲載資格は下記の通りです。
・G検定
・AI実装検定 B級
・データサイエンティスト検定リテラシーレベル
・ITパスポート試験
なお、就職・転職での需要についても考察しているので、基本情報とあわせて参考にしてみてください。
G検定
G検定(ジェネラリスト検定)は、AI・ディープラーニングの活用リテラシーの習得を目的とした資格試験です。AI・ディープラーニングを体系的に学習し、AIでできること・できないこと、AIを活用すべき部分、AIを活用するのに必要なことなどを学べます。
具体的なテーマは、人工知能の概要、動向、機械学習・深層学習の概要、関連する技術、応用例、AIに必要な数理・統計知識、AIに関する法律と契約などです。
人工知能に関する説明文の一部を空欄にして、選択肢から正しい説明文を完成させるような問題が出題されます。
基本的に用語の意味や概念を問う選択問題が多いので、AIや機械学習に関する知識を網羅的に学びたい方におすすめです。
【就職・転職での需要】
AIサービスを提案する求人などでG検定を活かせる場合があります。たとえば、開発経験ではなく営業経験を重視していて、AI未経験者まで募集している求人などです。
G検定は最低限のAI知識を証明するのに役立つ資格であり、「AIに詳しければなおよし」といった求人に応募するのに最適でしょう。
機械学習モデルの構築を担当する仕事でも、G検定保有者が歓迎されることもあります。G検定は自宅受験できる点で難易度が易しめですが、機械学習の実装に携わるきっかけとしても効果を発揮しそうです。
【基本情報】
運営団体 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会 |
試験方式 | オンライン実施(自宅受験) |
試験日程 | 【2024年の例】
1月13日(土)13:00〜15:00
3月8日(金)16:00〜18:00
3月9日(土)13:00〜15:00
5月11日(土)13:00〜15:00
7月5日(金)16:00〜18:00
7月6日(土)13:00〜15:00
9月7日(土)13:00〜15:00
11月8日(金)16:00〜18:00
11月9日(土)13:00〜15:00 |
出題数 | 160問程度 |
試験時間 | 120分 |
難易度 | 易しい |
勉強時間 | 50時間程度 |
受験料 | 一般:13,200円(税込)
学生:5,500円(税込) |
受験資格 | 制限なし |
G検定の難易度や勉強時間、学習方法については下記の記事が参考になります。
G検定とは? AIエンジニアに関するメリットや難易度、勉強時間、学習方法などを解説!
AI実装検定 B級
AI実装検定 B級は、AI初心者がAIの概要について直感的に理解することを目標としている資格試験です。
難易度はG検定の前段階となるレベルで、AIに興味がある程度で挑戦できます。
学習と推論、データとタスク、パターン認識、歴史、読み書き表現、計算と整理、開発と運用といった7つの側面からAIの知識を試します。
たとえば、AIの学習モデルに関する説明文を一部空欄にして、正しい文になるように選択肢を選ぶような問題が出題されます。機械学習の意味を理解していれば簡単に解ける問題です。
機械学習の基礎から学びたい方に最適なレベルでしょう。
【就職・転職での需要】
AI実装検定実行委員会は、2020年5月に設立されたことから、まだ資格の歴史が浅いです。
そのため、大手求人サイトでは、AI実装検定 B級を募集文に掲載する求人は、ごく一部だけ確認できるといった状況となっています。
ただ、AIへの興味や理解度を示せるので、AI未経験可の求人で応募のきっかけを得るのにおすすめできます。
【基本情報】
運営団体 | AI実装検定実行委員会(AIEO) |
試験方式 | CBT方式(テストセンターでコンピューターで回答する方式)、選択問題(四肢択一) |
試験日程 | 随時 |
出題数 | 30題 |
試験時間 | 40分 |
難易度 | 易しい |
勉強時間 | 30~40時間程度 |
受験料 | 一般:9,900円(税込)
学割:5,500円(税込) |
受験資格 | 制限なし |
DS検定リテラシーレベル
DS検定リテラシーレベルは、データサイエンティストに必要な見習いレベルの実務能力、AI教育のリテラシーレベルの実力を証明できるAI資格です。
試験で試されるデータサイエンス力には人工知能を理解して使う力も含まれています。出題されるAIの内容は、機械学習や映像認識、AIサービス活用、生成AIのコーディング支援、AI倫理などさまざまです。
試験が運用されていく中、AI利活用スキルに対応した問題も追加され、問題数も90問から100問に増加しています。今までよりもさらにAIに関する知識を学びやすくなりました。
データサイエンティストに必要なAIの知識を網羅的に学びたい方に最適です。
【就職・転職での需要】
DS検定リテラシーレベルは、AIを活用したDX推進の仕事で歓迎されるケースがあります。
AI利活用スキルに対応した問題が出題されることから、AI活用を提案できる人材の指標にもなっているのでしょう。
大手企業グループ会社のデータサイエンティスト求人で歓迎条件に記載されることもあります。
リテラシーレベルですが、知名度の高い求人に応募するチャンスも得られるでしょう。
【基本情報】
運営団体 | 一般社団法人 データサイエンティスト協会 |
試験方式 | CBT方式、選択式 |
試験日程 | 第8回:2024年11月9日(土)~2024年12月1日(日)
第9回:2025年3月8日(土)~2025年3月30日(日) |
出題数 | 100問 |
試験時間 | 100分 |
難易度 | 普通 |
勉強時間 | 15~150時間 |
受験料 | 一般:10,000円
学生:5,000円 |
受験資格 | 制限なし |
DS検定リテラシーレベルとG検定のどちらを受けるべきかを知りたい方は下記の記事もぜひご覧ください。
DS検定(リテラシーレベル)とは? 難易度や勉強時間、G検定とどちらを受けるべきかを解説!【テキスト紹介あり】
ITパスポート
ITパスポートは、ITを利活用するすべての社会人がAIを含めてITに関する基礎知識を証明できるIT資格です。
AIやビッグデータなどデータサイエンティスト、AIエンジニアに必要な基礎知識を学べるほか、セキュリティやネットワーク、プロジェクトマネジメント、マーケティングなど、AI以外のIT知識も習得できます。
基本的に複雑な計算やアルゴリズムの出題はありません。システム開発に生成AIを活用する事例や、AIの挙動を示す用語の意味などが問われるレベルです。
IT知識がまったくない方、文系でITに自信がない方などが、AIを含むITの全体像を知って上位資格を目指す踏み台とするのにおすすめです。
【就職・転職での需要】
ITパスポートは、AI資格やIT資格の中でも、広く浅くIT知識を学ぶための資格であり、データ分析やAI開発の求人ではあまり評価されにくい印象です。
その一方でAIソリューションの提案といった仕事では評価されるケースがあります。
プログラミング系の資格をあわせて取得すれば、データサイエンティストやAIエンジニアの求人にも挑戦しやすくなるでしょう。
【基本情報】
運営団体 | IPA 情報処理推進機構 |
試験方式 | CBT方式 |
試験日程 | 随時 |
出題数 | 100問 |
試験時間 | 120分 |
難易度 | 易しい |
勉強時間 | 15~100時間程度 |
受験料 | 7,500円(税込) |
受験資格 | 制限なし |
就職・転職に役立つおすすめのAI資格【スペシャリスト系】
就職・転職に役立つジェネラリスト系のAI資格をご紹介しました。
いずれもAIの知識を網羅的に学べる資格であり、AI職に応募するきっかけをつかむのに適していました。
その一方で、AI開発や機械学習の実装、画像処理などをメインに働きたい方であれば、スペシャリスト系のAI資格も気になるでしょう。
引き続き、就職・転職に役立つスペシャリスト系のAI資格をご紹介します。
具体的な掲載資格は下記の通りです。
・E資格
・統計検定準1級
・Python 3 エンジニア認定データ分析試験
・基本情報技術者試験
・画像処理エンジニア検定
E資格
E資格は、機械学習の中で高度な分析手法である深層学習の基礎を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を試すAI資格です。
試験範囲では、深層学習の基礎・応用を扱っており、より深いAIの知識、スキルを習得できる内容となっています。
Python向けの機械学習ライブラリであるPyTorchなどを利用した実装も扱われるため、プログラミングに関する知識も必要です。
「E」はEngineerの頭文字であることから専門性が高く、難易度はG検定よりも難しい傾向にあります。AIの概要を知るだけでなく、実装力を養いたい方に最適です。
【就職・転職での需要】
E資格は深層学習に関する実装能力を示せる資格であり、G検定よりも実用性が高い傾向にあります。
その点、求人サイトでもG検定よりも募集内容に掲載されるケースが多い傾向です。
AIエンジニアとして機械学習モデル構築を担当する仕事や、データサイエンティストとして深層学習の手法を活用してデータ分析をする仕事などで需要があります。
【基本情報】
運営団体 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会 |
試験方式 | CBT、多肢選択式 |
試験日程 | 【2024年の例】
2月16日(金)~2月18日(日)
8月30日(金)~9月1日(日) |
出題数 | 100問程度 |
試験時間 | 120分 |
難易度 | 難しい |
勉強時間 | 100~300時間 |
受験料 | 一般:33,000円(税込)
学生:22,000円(税込) |
受験資格 | JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了している |
E資格の難易度や勉強方法、G検定との違いを知りたい方は下記の記事もご覧ください。
E資格とは? 取得メリットや難易度、勉強方法、G検定との違いなどを解説!
統計検定準1級
統計検定準1級は、大学で統計学の基礎的講義に続いて学ぶ応用的な統計学の手法を学べる資格です。統計学の応用力を試す試験であり、機械学習に関する問題も出題されます。
たとえば、オートエンコーダー(自己符号化器)という、ニューラルネットワークを利用した教師なし機械学習の手法に関する問題が出題されました。
AIメインの資格ではありませんが、AIに関連する機械学習の実施について視野が広がる可能性が高いです。
難易度は大学で求められる応用レベルであり、決して簡単ではありません。データサイエンティストが高度な統計スキルとともに、機械学習への応用力を習得したい場合に検討できるでしょう。
【就職・転職での需要】
統計検定準1級は、ほかのAI資格と比較して統計の知識を学べるため、データ分析の幅を広げてくれます。
データサイエンティストの求人に必要資格や歓迎条件として掲載されるケースも多いです。
簡単には取得できない資格であることから、大手企業の求人でもアピール材料にできます。
データサイエンティストになるだけでなく、知名度が高く信頼できる企業に入社したい場合にもピッタリです。
【基本情報】
運営団体 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
試験方式 | CBT方式、5肢選択、数値入力 |
試験日程 | 随時 |
出題数 | 25~30問 |
試験時間 | 90分 |
難易度 | 難しい |
勉強時間 | 300時間程度 |
受験料 | 一般価格:8,000円
学割価格:6,000円 |
受験資格 | 制限なし |
統計検定準1級については下記の記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。
統計検定とは? メリットや難易度、勉強時間、データサイエンティストを目指すための学習方法などを解説!
Python 3 エンジニア認定データ分析試験
Python 3 エンジニア認定データ分析試験は、Pythonを活用したデータ分析スキルを試す資格試験です。
AIに不可欠な機械学習、データ分析の仕組み、関連するライブラリなどを学べます。Pythonはデータサイエンティストがデータ分析をするうえで活用するプログラミング言語です。
ライブラリによる分析実践が試験範囲に含まれており、機械学習でよく使われるライブラリとして、NumPyやpandas、scikit-learnなどを学べます。
Python初心者でも十分合格できるレベルといわれています。データサイエンティストを目指す方が、実用的なデータ分析スキル、プログラミングスキルを習得したい場合にも適しているでしょう。
【就職・転職での需要】
Pythonで深層学習プログラムを開発する仕事で、Python 3 エンジニア認定データ分析試験の合格が必須とされるケースが見受けられます。
Python 3 エンジニア認定データ分析試験は、実行環境の構築や、数学の基礎、確率、ライブラリ、データ収集など、実践的な内容を幅広く学べます。
難易度が高い資格ではなくとも実用的な資格であり、開発に関する就職・転職でも重視されている印象です。
【基本情報】
運営団体 | 一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会 |
試験方式 | CBT方式、選択式 |
試験日程 | 随時 |
出題数 | 40問 |
試験時間 | 60分 |
難易度 | やや易しい |
勉強時間 | 30~100時間程度 |
受験料 | 一般価格:11,000円(税込)
学割価格: 5,500円(税込) |
受験資格 | 制限なし |
データサイエンティストに必要なPythonの学習方法については下記の記事を参考にしてみてください。
データサイエンティストに必要なPythonとは?学習方法やR・SQLとどっちを学ぶべきかを解説!
基本情報技術者試験
基本情報技術者は、ITエンジニアの登竜門と呼ばれるIT業界の国家資格です。ITパスポートの上位資格であり、より深いIT知識の習得に役立ちます。
近年、DX推進の流れに対応するために出題範囲が変更され、AIの知識を広く学べる内容となりました。機械学習・深層学習の仕組みの理解が重視され、教師あり学習やニューラルネットワークなど、AIに関する専門用語も幅広く対象となっています。
基本情報技術者試験では、プログラミングの読解問題が出題され、アルゴリズムの理解も問われます。普遍的かつ本質的なプログラミング的思考力が試されるので、データサイエンティストやAIエンジニアに必要な開発スキルの基礎を習得できるでしょう。
ITパスポートでは実務スキルを証明しづらいと思う方におすすめです。試験範囲の変更情報については公式ホームページもご確認ください。
参照:情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験における出題範囲・シラバスの一部改訂について(IPA 情報処理推進機構)
【就職・転職での需要】
データサイエンティスト職の求人で、基本情報技術者試験の資格手当を掲載しているケースも見受けられます。国家資格であることから信頼性が高く、データサイエンス職でも評価されやすいようです。
また、AIエンジニアのプロジェクトマネジメントの仕事などでも、基本情報技術者が目安とされることがあります。基本情報技術者は実務に関する知識を網羅的に学べる資格のため、AIスキルだけでなくマネジメントの基礎を判断する指標となっているのでしょう。
AI分野を意識した試験範囲に変更され始めたので、今後はさらにAI系求人での評価が高まっていくことも予想されます。
【基本情報】
運営団体 | IPA 情報処理推進機構 |
試験方式 | CBT方式、多肢選択式
※身体の不自由によりCBT方式で受験できない方は筆記試験を受験 |
試験日程 | 随時 |
出題数 | 科目A:60問
科目B:20問 |
試験時間 | 科目A:90分
科目B:100分 |
難易度 | やや難しい |
勉強時間 | 50~200時間程度 |
受験料 | 7,500円(税込) |
受験資格 | 制限なし |
画像処理エンジニア検定 エキスパート
画像処理エンジニア検定 エキスパートは、画像処理技術に関する専門的な理解と、ソフトウェアやハードウェア、システムの開発に知識を応用する能力を試す資格試験です。
ディジタル画像の撮影や画素ごとの濃淡変換、2画像処理、深層学習による画像認識と生成などが出題範囲となっています。
機械学習の概要や教師なし学習、教師あり学習、ニューラルネットワークなども範囲に含まれており、画像処理技術とともにAIに関する知識もまとめて学べるのが効率的です。
下位資格のベーシックもありますが、大学生がエキスパートを取得した事例も見受けられ、いきなり上位資格を目指すことも不可能ではありません。画像処理やAI、機械学習が未経験のレベルで合格した方も見受けられます。
ほかの求職者と差別化できるスキルを習得してAIエンジニアやデータサイエンティストを目指すのに役立つでしょう。
【就職・転職での需要】
AIを活用した外観検査システムに関するデータ分析、学習データ構築などの仕事で、画像処理エンジニア検定 エキスパートを歓迎しているケースが見受けられました。
E資格や統計検定などと併記されるケースも少なくありません。
ほかの資格よりも画像処理に特化した資格なので、求人に掲載される事例は少ない傾向です。
ただ、AIと画像処理に関する仕事で評価される可能性は高く、ピンポイントで企業から必要とされるケースも十分あり得るでしょう。
【基本情報】
運営団体 | 公益財団法人 画像情報教育振興協会 |
試験方式 | マークシート |
試験日程 | 年に2回7月と11月の日曜日に実施 |
出題数 | 10問 |
試験時間 | 80分 |
難易度 | やや易しい~普通 |
勉強時間 | 40~80時間 |
受験料 | 6,700円(税込) |
受験資格 | 制限なし |
AI資格の取得に迷ったら専門家に相談
ジェネラリスト系とスペシャリスト系に分けてさまざまなAI資格をご紹介しました。
AI資格では、データ分析やAI、機械学習、プログラミング、画像処理など、さまざまな知識が求められます。
おおよその難易度は決まっていますが、各自の経験値によって合格のしやすさは大きく異なる傾向です。人によっては、資格を取得せずに就職・転職を目指したほうがよい場合もあります。
深く考えずに取得を目指すと、お金だけ取られて資格が役立たないケースも多いです。本当に役立つかどうか見極める必要があり、そのためには専門家に確認するのが効率的です。
ビッグデータラボでは、現役データサイエンティストが一人ひとりの課題に応じたAI学習を提案しています。知識・スキルをヒアリングしたうえで、AI資格の必要性やおすすめの資格を見極めることも可能です。
無料相談を受け付けているので、就職・転職に向けてAI資格を取得すべきか迷う方、どのAI資格が自分に適しているかを知りたい方などは、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
本記事ではデータサイエンティストやAIエンジニアなどの就職・転職に役立つAI資格についてご紹介しました。
AIの活用知識を幅広く学べるG検定や、データサイエンティストに必要なAI知識を習得できるデータサイエンティスト検定リテラシーレベル、機械学習でよく使われるライブラリを学べるPython 3 エンジニア認定データ分析試験など、AI資格はさまざま存在しているとおわかりいただけたでしょう。
各自の知識やスキルによって取得すべきAI資格は異なります。場合によってはAI資格が不要な場合も少なくありません。
自分に適したAI資格がわからない場合や、AI資格を取得すべきか迷ったときは、ひとまず専門家に相談してみてください。