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AIエディタAntigravityを徹底解説!VS CodeやCursorとの違いは?

AIエディタAntigravityを徹底解説!VS CodeやCursorとの違いは?

AIエディタAntigravityとは?-最新エージェント型IDEの全貌

2025年11月、Googleは最新のAIモデル「Gemini 3」搭載の次世代開発環境「Google Antigravity」を発表しました。Gemini 3 Proを中核に据えたAntigravityはエージェント・ファーストの設計を特徴とし、従来の人間主導のコーディングから脱却してAIエージェントによる開発を再構築する試みです (1) (2)。現在パブリックプレビュー版が無償提供されており、個人利用は〝無料〟で利用できます (3)。

Googleによれば、Antigravityはエディタ、ターミナル、ブラウザなどすべての開発ツールをAIエージェントが駆動し、開発者はプログラミングの細部ではなく「タスク」や「目的」を伝えるだけで、後はAIに任せる形態を取ります 。たとえば、Antigravityのエージェントは「要件を独自分析→タスク分解→実装計画作成」を自律的に行います (4)。さらに、ブラウザを開いて実装機能をテストし、結果を検証するなど人間と同様の操作も可能です 。これらを実現するため、AIエージェントはGoogle製の最先端モデル Gemini 3 Proのほか、AnthropicのClaude Sonnet 4.5やOpenAIのGPT-OSSなど多彩なモデルへのアクセス権も備えます 。

Antigravityの主な機能と設計思想

自律エージェントのイメージ

Antigravityの開発思想の核は、「信頼」「自律」「フィードバック」「自己進化」の4つの原則です 。具体的な機能としては次のような特徴があります:

  • エージェントによる自動計画と実行: エージェントが要件を解析し、機能開発からデプロイ準備までの大規模タスクを自律的に細分化・実行します 。ユーザーはタスクや目的を指示し、複数のエージェントが並列稼働する「マネージャー」インターフェースで進捗を監督します 。
  • システムへの直接アクセス: エージェントはエディタ、ターミナル、ブラウザを直接操作可能で、開発→テスト→検証をエンドツーエンドで実施します 。例えば、実装途中にローカルサーバーを起動し、ブラウザで動作確認する、スクリーンショットやDOM操作で結果を記録するといった作業も人間に代わって行えます 。
  • 自己検証とフィードバック: AntigravityエージェントはChrome上で作業を進める中、生成中の成果物(タスクリスト、設計メモ、デモフロー、スクリーンショットなど)を自動生成し、自己テストを繰り返して品質を保証します 。ユーザーはこれらの成果物にコメントでフィードバックを与えられ、エージェントは逐次学習で結果を改善します 。
  • 強力なAIモデルの統合: AntigravityにはGoogleのGemini 3 Proが標準搭載されており、これにより高度なコード理解・生成・問題解決能力を利用できます 。さらに、Claude Sonnet 4.5やGPT-OSSなどもエージェント内で切り替え可能で、開発者は用途に応じて最適なモデルを選択できます 。
  • マルチエージェント管理: Antigravityの「エージェント・マネージャー」は複数のAIを同時に稼働させ、異なるサブタスクを並列処理します。これにより、例えば「フロント実装」「バックエンドAPI」「DB設計」といった別々のタスクを同時進行で進められ、開発スピードを飛躍的に向上させます(従来型ツールは基本的に単一タスク処理) (5) 。
  • 知識の自己蓄積: Antigravityは作業中に得た知見をナレッジベースに蓄え、エージェントが過去の成功パターン(コードスニペットや設計など)を再利用できるようにします 。これにより、同じプロジェクトや似たタスクでは以前の成果から自動的に学びつつ開発を進められます。

これらの機能により、Antigravityは単なるコード補完ツールではなく、「アイデアから実装までを担うコーディングパートナー」を実現しようとしています。現在はプレビュー版であるため追加機能の開発が活発に行われていますが、Googleは「Antigravityがエージェント支援型開発の根本的な飛躍を表す」と述べ、今後も頻繁に更新を続ける計画です 。

VS CodeとCursorの概要

AIコードエディタのイメージ

従来の開発現場で広く使われてきたMicrosoftのVisual Studio Code (VS Code)は、拡張機能によって多くの言語やツールをサポートする無料の統合開発環境です。VS Code自体にはAIエンジンは組み込まれておらず、GitHub Copilotなどプラグイン経由でLLMを利用する形になります。一方、昨今注目のCursorはVS Codeをベースに独立して開発されたAIネイティブコードエディタです。Cursorは仮想的な「AIエージェント」を標準搭載し、OpenAIやAnthropicなど複数の大規模言語モデルと連携してリアルタイムでコード生成・補完・バグ修正を行います (6)。具体的には、Cursor上で自然言語プロンプトを入力すると、背景でLLMがコードを書いたり、関数を一括生成したりすることができます。Tab補完機能やコマンド実行支援も強力で、いわば「開発者の頭脳を拡張するエディタ」です。

CursorはVS Code互換のエコシステムも維持しており、既存のテーマや拡張機能をワンクリックで読み込めるため、VS Codeユーザーもスムーズに移行できます (7)。また、プライバシーモードを使えばコードが外部に保存されないことが保証され(SOC 2準拠) 、機密プロジェクトでも安心して利用できます。Cursor自身はベータ版ながら急速に普及しており、AI支援で開発効率を劇的に高めるツールとして注目を浴びています。

Antigravity・VS Code・Cursorの比較

エージェント中心プログラミングのイメージ

以下の表で、Antigravity、VS Code(標準)、およびCursorの主要な違いを整理します。Antigravityはエージェント中心の新しいアプローチ、CursorはAI補助重視、VS Codeは従来型である点が見て取れます。

機能/項目 Visual Studio Code (標準) Cursor Antigravity
AIモデル統合 なし(拡張で外部AI呼び出し) GPT-4.1, Claude 4.5, Gemini 2.5など、主要なLLMをサポート (8) Gemini 3 Pro(ネイティブ)※Claude 4.5、GPT-OSSも選択可
エージェント機能 なし(手動主導) あり:AIエージェントを搭載(チャット/Composer) あり:複数エージェントの並列実行・同期、Agent Manager搭載
抽象度 コード単位 (関数/修正など) コード+タスク単位 タスク単位(機能追加〜デプロイまで自律実行)
操作範囲 主にエディタ内のテキスト処理 エディタ+組み込みブラウザ 端末・ブラウザを含むコンピュータ操作も可能
相互運用性 豊富な拡張とエコシステム VS Code互換拡張読み込み可 独自環境(VS Codeフォーク上)
価格/ライセンス 無料・オープンソース 無料プラン+Pro版($20/月/人) プレビュー時点では無料(個人利用)
利用可能OS Windows, macOS, Linux(x64) Windows, macOS, Linux Windows, macOS (Apple Silicon), Linux

ポイント解説: AntigravityはVS CodeやCursorと比べ、より抽象度の高いタスク指向・エージェント指向である点が大きな特徴です。従来のVS CodeやCursorでは「関数を実装」「バグ修正」など比較的小粒度のコード操作が中心なのに対し、Antigravityでは「機能追加〜デプロイ準備」など大規模なソフト開発タスクを自律的に分解して実行できます 。また、既存ツールが主にエディタ内のテキスト操作で完結するのに対し、Antigravityのエージェントはブラウザ起動やスクリーンショット取得などの人間と同等の検証作業も可能です 。価格面でも、Antigravityは現在「無料プレビュー」で個人利用可能ですが、Cursorは無償プラン+法人向け有料プラン(プロ版$20/月)を提供しています 。

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導入事例と活用効果

AIエディタのイメージ

本格的にAIエディタを採用する企業も増えてきました。Cursorの事例が特に多く報告されています。例えば、米法人UpworkではCursor導入後プルリクエスト数が25%増加、平均のPRサイズが100%増加したと報告されています (9)。スタートアップのPeopleXは約8割のコードをAI生成しており 、仮想通貨取引所Coinbaseでは2025年2月までに全エンジニアがCursorを利用する体制を整え、「開発者の大半にとって第一選択のIDEになった」とCEOが語っています (10)。NVIDIAのJensen Huang CEOも「Cursorは私たちのチームにとって第二の脳になった」と高く評価しています 。

日本国内でも、AIエディタ導入の動きがあります。ネクサスエージェントはプレスリリースで全エンジニアにCursorを導入し、「開発スピード向上やコード品質改善、社内ナレッジ共有促進」を図るとしています 。同様に、カカクコム(価格.com)は全開発プロジェクトでCursorを採用し、約500名のエンジニア体制で開発効率の向上を実現しています 。これら多くの事例が示す通り、AIエディタは既存開発フローの効率化に寄与していることが定量データとしても裏付けられています 。

一方、Antigravityはまだプレビュー段階のため、企業導入事例はこれから出てくると考えられます。2025年11月時点では個人開発者向けの提供が中心ですが、Gemini 3の能力を活かした大規模プロジェクト支援にも期待が高まっています。

導入時の注意点と課題

AntigravityやCursorのようなAIエディタには多大な可能性がありますが、いくつか留意点もあります。特にAntigravityはエージェントにシステム操作を任せるため、安全性と透明性が重要です。Googleはタスクごとのアーティファクト(計画書やテスト結果)を提示して信頼性を担保する設計ですが 、実環境で使う場合は実行内容の確認・承認ルールを設け、APIキーやネットワーク権限などのアクセス管理を厳格にする必要があります。また、全ての処理がクラウド型AIに依存するためインターネット接続とAPI利用コストが必須です。AntigravityのプレビューではGemini 3 Pro利用枠が「寛大」に設定されていますが 、商用化後の課金体系やレート制限は今後の発表待ちです。Cursorでも、過去にプラン変更が技術者コミュニティで話題になるなど料金モデルが敏感な課題となっています(無料枠や使用量ベース課金の動向に注目が必要です) (11) 。

まとめ:AntigravityとAIエディタの未来

Google Antigravityは、従来のIDEの枠組みを超えて**「AIエージェントこそが主役」の開発プラットフォームを提案する点で革新的です 。VS CodeやCursorが実現してきたコード支援以上のレベルで、開発プロセス全体を自動化しようとするAntigravityの登場は、エンジニアリングのパラダイムシフトの一例と言えるでしょう。現在は無料プレビューで“未来の開発体験”を誰でも体験可能です 。ただし、新技術である分、AIの出力内容を検証する手間や、セキュリティ設定など運用上の配慮**は必須です。開発者はこれら最新ツールを賢く利用し、「退屈な反復作業という重力」から解放された新たなワークフローを試みることになりそうです 。

参考資料: Google公式サイト・ブログ 、PRTIMESなど各社リリース 、専門メディア記事など

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