知見のアーカイブ

「Gemini 2.5 Pro」と「Gemini 2.5 Flash」を徹底比較!料金や機能の違いは?

「Gemini 2.5 Pro」と「Gemini 2.5 Flash」を徹底比較!料金や機能の違いは?

「Gemini 2.5 Pro」と「Gemini 2.5 Flash」の比較ポイント

比較項目 Gemini 2.5 Pro Gemini 2.5 Flash
提供形態 一般公開 (安定版) (1) 一般公開 (安定版)
モデル特性 最先端の汎用モデル。特にコーディングや複雑な推論タスクに優れる (2) (3) 初の「ハイブリッド思考モデル」で、高速・低コストを重視 (4)
最大コンテキスト 最大1百万トークン 最大1百万トークン
料金(1Mトークンあたり) - 入力: $1.25(プロンプト20万トークン以下)/ $2.50(20万超) - 出力: $10.00(<=20万)/ $15.00(>20万) - 入力: $0.30(テキスト/画像/ビデオ) - 出力: $2.50(テキスト等)
思考機能 「思考」モード搭載。回答前に内部で推論プロセスを行い、その「思考量(バジェット)」を調整可能 同様に思考モード搭載。思考ON/OFFの切替や思考バジェットの細かい調整で、スピードと精度・コストを制御
主な用途・利点 長文要約・学術文書解析、複雑なコード生成など、最も高い精度が求められるタスク向け (5) チャットボットやリアルタイム要約など、大規模な高速処理・低遅延が求められるタスク向け (6)
活用事例 Box社のAI抽出エージェント(ドキュメントからの情報抽出、大量タスク処理) など、高度な推論が必要な企業用途で採用例あり 暗号通貨ニュースの自動分析システム 、Palo Alto Networksによる脅威検出・サポート強化 など、高速性とコスト効率を活かした利用例あり

上表では主要項目を比較しました。以下で、モデル概要や料金・機能の詳細、事例などを順に説明します。Gemini 2.5はGoogle DeepMind(Google Cloud)が提供する最新世代の大型言語モデル群で、ProFlashはその中核モデルです。いずれも「思考モデル(Thinking Model)」として設計されており、内部で複数ステップの推論を行って回答する特長があります 。ただし用途や性能・コストのバランスが異なり、企業や開発者は目的に応じて使い分ける必要があります。

📊 お役立ち資料
国内99件のAI・データ活用プロジェクトの成功事例をまとめた資料です。 関心のある業界や、気になる関連企業の成功事例の詳細な事例集をご覧にいただけます。
ダウンロードはこちら

Gemini 2.5 モデルファミリの特徴

Googleは2025年6月にGemini 2.5ファミリを発表し、その主要モデルとしてGemini 2.5 ProGemini 2.5 Flash(および簡易版のFlash-Lite)を導入しました (7)。公式発表で示されたとおり、2.5 Proも2.5 Flashも一般提供版(GA)となり、Flash-Liteはプレビュー版として公開されています 。これらはいずれも「思考モデル」と呼ばれ、複雑な課題に対して内部の思考(チェイン・オブ・ソート)プロセスを活用して回答する点が共通しています 。Google開発チームは「Gemini 2.5モデルは思考モデルで、回答する前に考える(think)能力を持つ」と説明しており、思考量(thinking budget)をAPIパラメータで調整可能です 。

  • Pro は「最先端の多目的モデル」とされ、特に高度な推論能力やコーディング能力に優れています 。大規模なモデルサイズや高い学習成果により、難易度の高い数学・論理問題、複雑な文章生成・解析などで優秀な成績を残しており、LMArenaベンチマークの「Hard Prompts」や知識・推論系テストでトップクラスの結果を示しています (8) 。
  • Flash はProに比べて軽量化・高速化・コスト低減を重視したモデルです。Googleは「Gemini 2.5 Flashは初の完全ハイブリッド推論モデルであり、動作を高速に保ちつつ思考モードを切替可能」と述べています 。具体的には、Proを下回る速度での推論を前提としながら、内部に思考ON/OFFスイッチ思考バジェットを持ち、クエリの複雑度に応じて可変的に思考時間(回答前の処理)を調整します 。Googleによれば、思考OFF時でも2.0 Flash(前世代)と同等の高速処理を維持でき、思考ON時はProに肉薄する精度を発揮します 。

Geminiのイメージ

性能と用途の違い

両モデルの性能差と適用領域を整理すると以下の通りです。

  • 解析精度・表現力(Proが優位): Gemini 2.5 Proは前モデル(2.0 Pro)から大幅に強化されており、深い推論や長大な文脈処理が得意です。Vertex AI公式ブログでは、2.5 Proは100万トークンもの超長文コンテキストを扱える点が強調されており、高密度な文書から詳細な情報を抽出(法務契約、医療記録の解析など)したり、大規模コードベースを理解して複雑なプログラミングタスクを処理する用途に向くと説明されています 。実際、ProはGoogle内部外で長文要約や学術論文解析、複雑なレポート生成など難易度の高い文書作成・分析で活用されてきました 。日本のあるクラウド企業報告でも、Gemini 2.5 Proの登場により「日本語の長文読解・要約精度が大幅に向上し、業務レベルで使えるようになった」と評価されています 。また、GPT-4シリーズなど他社モデルとの比較でも、2.5 Proは最先端の水準にあるとされ、特に数学・科学・論理的推論テストで高スコアを記録し、「Humanity’s Last Exam」で史上最高点を出すなど大きな注目を集めています 。

  • 高速処理・低コスト(Flashが優位): 一方、Gemini 2.5 FlashはProと比較してレスポンス速度に優れ、コスト効率が高い点が特徴です。モデル自体はProより小型で、ライトな推論負荷で動作するよう最適化されています。また、思考プロセスを動的に制御することで必要に応じた計算量を割り当てるため、単純タスクでは高速に応答しつつ、複雑タスクでは必要なだけ内部推論で精度を高められます 。Google スペシャルテックレポートでは、Flashは「最もコストパフォーマンスに優れた思考モデル」と評されており、LMArenaの難易度高い問題(Hard Prompts)だけでもProに次ぐ2位の成績を示しています 。企業向け観点では、チャットボットや仮想アシスタント、リアルタイム要約など大規模なリクエストを高速にさばきたい用途に最適とされています 。たとえば、Palo Alto Networksは「Gemini 2.5 Flashの強化された推論機能(インサイト豊かな回答)は、AI脅威検出やサポートで大きな可能性をもたらす」とコメントし、新モデルの評価・導入を進めていると報じられています 。

このように、大まかには「品質重視ならPro、速度・コスト重視ならFlash」という使い分けが基本となります。Atlas氏のブログ分析では、Gemini 2.5 FlashはProに次ぐ高性能を示しつつ「最高の価格性能比」を持つとされ、トークンあたりコストはProの1/4程度に抑えられています 。例えば、1億トークン(約80万文字)の出力を生成した場合、Proでは約$1,500(≒20万円)かかるところFlashでは約$375(≒5万円)です。このように、処理コストを重視しつつ高い実用性能が必要なケースではFlashが優れた選択肢となります。

性能のイメージ

料金体系

Gemini 2.5 API(Google AI Studio/Vertex AI経由)の利用料金は、主に入力トークン数出力トークン数に応じて課金されます。主な料金設定は下表の通りです。

モデル 入力料金 (1百万トークンあたり) 出力料金 (1百万トークンあたり)
Gemini 2.5 Pro $1.25(プロンプト20万トークンまで)$2.50(20万超) $10.00(20万トークンまで)$15.00(20万超)
Gemini 2.5 Flash $0.30 $2.50

たとえば、Proモデルではプロンプト(入力)200Kトークンまで$1.25、出力は$10.00ですが、Flashでは入力が$0.30、出力が$2.50と大幅に低価格です 。これは単純計算でProの約4~6倍のトークンコストに相当し、Flashを多用することでコスト削減が期待できます。一方、Proは出力ごとの料金が高い代わりに、より複雑で長い会話や文書生成にも設計されています。

両モデルとも、無料枠(Google AI Studio無料枠)で一定量(数千〜数万トークン程度)の利用が可能です。なおGoogleでは、無料(AI StudioやGeminiアプリ)利用分は“入力データ・出力データを品質向上目的に活用する”オプションになっており、有料利用に切り替えるとデータは製品改善には使用されない仕組みです 。つまり、本格利用では有料環境での運用を検討するケースが多くあります。

料金体系のイメージ

導入事例・ユースケース

大規模文書解析・情報抽出(Proの例)

Gemini 2.5 Proは、高度な推論能力を活かした企業向けアプリケーションで導入が進んでいます。たとえばクラウド企業 Box は、Gemini 2.5を活用した「抽出エージェント」を開発中で、非構造化データから価値ある情報を自動抽出・利用する取り組みをしています 。Boxによれば、2.5 Proの高度な推論力により、プロキュアメント管理やレポート作成など多様なユースケースでAI駆動のタスクが実現可能になっており、膨大な抽出作業の効率化に貢献しているとのことです 。また日本の事例では、先述のクラウドインテグレーターが社内業務で2.5 Proを試用し、「日本語文章の生成・読解精度が飛躍的に向上した」と報告しています 。これまでは英語中心だった生成AIアシスタントの範囲が2.5 Proで日本語領域にも広がり、社内業務の自動化・高度化を後押ししています。

高速チャット・要約システム(Flashの例)

Gemini 2.5 Flashの高速性・低コストを生かした活用例も増えています。前述の日本のフィンテック企業事例では、海外の暗号通貨ニュースを自動で収集・翻訳・要約し、市場影響度をリアルタイムに分析するWebアプリを構築しました 。ここではVertex AI上でFlashをAPI呼び出しし、高品質な日本語要約と翻訳を実現。成功要因として「2.5 Flashの翻訳・要約精度の高さ」が挙げられています 。結果、完全自動化された分析パイプラインにより、膨大なニュースデータから必要情報を短時間で抽出し、ユーザー提供価値を大幅に高めることに成功しています。このほか、Web接客チャットやバーチャルアシスタント、リアルタイム要約ツールなど、多数の企業が2.5 Flashを導入し、応答速度向上とコスト最適化を同時に実現しています 。Palo Alto Networksも「2.5 Flashは動的思考制御により高速・高効率に解析し、AI脅威検出やカスタマーサポートで大きな可能性を見出す」と述べており、次世代モデルとして注目しています 。

注意点・導入時の考慮事項

  • コスト管理: FlashはProに比べて安価とはいえ、長大なプロンプトや大量の生成を行うと利用料は積み重なります。無料枠を超えた分は従量課金となるため、APIのバッチ処理やレスポンスキャッシュ(Vertex AIのコンテキスト保存機能)などでコストを抑える工夫が有効です。また、思考バジェットを0にすれば最も低レイテンシ・低コストで動作するため、単純タスクや大量リクエスト時は思考OFFを検討します 。

  • 品質と速度のトレードオフ: Proは高品質ですが応答速度はFlashより低く(計算量が大きいため)なりがちです。タイムクリティカルな用途ではFlash、複雑・精度重視ならProを使い分けます。また、必要に応じて混在運用やモデルサイジング(例えば、簡易タスクはFlash、難易度高い部分だけPro利用)も検討すると効率的です。

  • データプライバシーと利用規約: 招いたバージョンに応じてプロンプトや回答のデータ利用条件が異なります。一般的に、有料(クラウド課金)利用時はプロンプト・回答がGoogleによりデータ改善に使用されませんが、無料サービス時や未課金枠では品質向上のために活用されることがあります 。また、医療・金融など厳格な規制がある分野では、SLAやコンプライアンス要件を確認する必要があります(利用規約やプライバシーポリシー、Vertex AIのSLA 99.5%など)。不適切な利用を防ぐため、Googleの利用制限ルールも遵守することが求められます。

  • 学習済みデータの偏りや回答バイアス: これらのモデルは学習データに基づく回答を生成します。特にProは知識ベースが広範ですが、人為的な内容や独創的な創作の場合は誤情報(幻覚)が生じるリスクがあります。企業用途では必ず結果検証のプロセスを用意し、必要に応じて追加学習(ファインチューニング)やシステムプロンプトで誘導(プロンプトエンジニアリング)するのが一般的です。

まとめ

Gemini 2.5 ProとFlashは同じファミリー内でも用途が大きく異なる生成AIモデルです。Proは「最強のコグニティブAIモデル」として高精度な推論・編集・長文処理を行える一方、Flashは「ワークホースモデル」として速度とコスト効率を追求しています 。導入にあたっては、要求精度・遅延許容度・予算を見極め、両者を適切に使い分けることが肝要です。たとえば、重要論文の詳細解析や大規模なコーディング生成にはProを、チャットボットや要約バッチ処理、高頻度リクエストにはFlashを活用するといった組み合わせが考えられます。いずれも実用化が進んでいる技術であり、導入事例からは「翻訳・要約精度の向上」「API応答速度とコスト削減」「複雑業務の自動化」といった効果が報告されています 。最後に、Googleの公式ドキュメントや最新の技術レポートを参照しつつ、テスト利用で性能を評価し、要件に見合ったモデル選択・パラメータ設定(思考バジェットなど)を行うことをおすすめします。

参考資料: Google公式ブログおよびAI業界専門メディアの発表 や、日本の導入事例レポート などを参照してまとめました。

📑 資料請求
 代表者直筆! ビッグデータラボの事例に基づく、社内でAI・データ活用のプロジェクトを進める上でのノウハウをまとめました。
ダウンロードはこちら

お問い合わせ

下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。
担当者より折り返しご連絡いたします。

人材・HR生成AI・LLMシステム開発