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Google検索AIモードが登場!精度や強みは?使いにくいという評判も

Google検索AIモードが登場!精度や強みは?使いにくいという評判も

Google検索AIモードとは

Googleは2025年の開発者向け会議(Google I/O)で、検索機能に生成AIを取り込む新版「AIモード(AI Mode)」を発表しました (1) (2)。従来の青いリンク一覧だけでなく、質問の内容をAIで解析・生成した会話型の回答を返し、関連するウェブリンクへのフォローアップが可能となります。Google公式サイトでは「AIモードはGoogleの最も強力なAI検索体験」であり、“思いつくまま質問すればAIが回答し、フォローアップでさらに詳しく調べられる”と説明されています (3) 。内部では質問をサブトピックに分割し同時検索(“クエリファンアウト”)して回答を生成するため、従来検索より幅広く深い情報提供が特徴です (4) 。

Googleによれば、AIモードは高度な推論力やマルチモーダル機能(テキスト・音声・画像入力対応)を活用し、特に複雑で多面的な質問に有効とされています (5)。Gemini 2.5など最新のAIモデルを動力源にし、従来は複数回の検索が必要だった内容を1つの対話で済ませられるようになります。また誤回答のリスクに備え、回答が信頼できない場合は従来通りウェブリンクを併記する仕組みです 。Google自身も「初期段階のAI製品なので正答しない場合もある」と認め、ユーザーからのフィードバックで精度向上を図る方針です 。

通常検索・AI概要との違い

AI検索比較のイメージ

下表に、AIモードと従来のGoogle検索・AIによる概要(AI Overviews)の機能比較を示します。

特徴・機能 通常のGoogle検索 AIによる概要 AIモード
出力形式 駆動型のリンクリスト AIが生成した要約や回答+引用リンク AIが生成した総合回答+引用リンク+対話形式
入力方式 テキスト(音声検索含む) テキスト テキスト・音声・画像(マルチモーダル)
インターフェース 検索結果ペーシ (タブ切替無し) 検索結果の一部として表示 専用タブ・専用画面で対話形式
フォロー機能 なし 簡易な関連質問リンク 継続質問で対話掘り下げが可能
提供対象 全ユーザー(全言語) 全ユーザー(提供国限定、言語依存) 実験プログラム参加者(開始時は英語圏限定) (6)
料金・条件 無料 無料 初期はGoogle One AI Premium契約者のみ($19.99/月) (7) (8)

上表のように、通常検索はキーワードに直接マッチするページを列挙しますが、AIモードは質疑応答型の総合回答を重視します。通常の検索やAI概要と比べ、AIモードは「テキスト/音声/画像さまざまな入力」に対応し、必要な情報を自動計算・整理して提供する点が最大の特徴です 。特にAIモード専用タブからの切り替えで利用でき、通常検索結果との棲み分けが図られています (9) 。

AIモードの主な機能

情報探索のイメージ

AIモードでは次のような先進機能が実装されています。

機能 説明
クエリファンアウト (並列検索) 質問を複数のサブトピックに分け、Web上の情報源を同時並列に検索して統合回答を生成 。従来検索より広範囲・深い情報探索が可能になり、高度な問題の網羅的な解決に貢献します。
フォローアップ質問 回答に続けて追問が可能。会話型インターフェースで深堀りや条件変更を行い、会話を継続できます 。ユーザーは「さらに詳しく」「他の角度で」と指示しやすい形式です。
マルチモーダル入力 キーボード入力だけでなく、音声やカメラで撮影した画像を用いて質問可能 。例えば書籍の写真から読書リストを作成したり、料理メニューの写真からおすすめを聞くといった使い方ができます。
Deep Search 最新のGemini 2.5 Proモデルを用いた高精度検索機能。数百サイトを自動分析し、包括的なレポートとして提示します (10)。時間がかかる代わりに、より網羅的・正確な情報収集を支援します。
AIアシスタント 例えば電話発信やスケジュール登録まで代行する機能も一部実装しています (11)。利用可能な価格やビジネスデータを元に、ユーザーの指示でタスクを実行します(現時点では米国限定)。
整合性・引用 回答には必ず根拠となるウェブリンクを添付します 。情報源が示されるため信頼性を評価しやすく、必要に応じて原典に遷移できます。
フィードバック 回答が不確か・誤っていた場合、画面上の高評価/低評価で評価できます 。Googleはこれを学習データとして用い、AIモードの精度向上に反映させるとしています。

上記機能により、AIモードは従来検索では困難だった複雑な問いに対して包括的かつ対話的な回答を提供します。一方で、すべての質問に向いているわけではありません。例えば、店舗の営業時間など簡単な事実確認では通常検索の方が素早く結果を得られる場合が多い点に留意が必要です 。

提供状況とアクセス方法

AIアクセスのイメージ

AIモードは当初、米国向けに実験的に提供され、順次拡大しています。Google公式ブログによれば、当初はGoogle Search Labsの実験プログラム(Labs)参加ユーザー向けに実装され、AI概要(AI Overviews)とは異なる専用タブで利用可能とされています 。2025年5月以降、Google One AI Premium契約者を皮切りに米国で一般公開され、2025年7月下旬には英国でも利用が始まりました 。2025年9月9日からは日本語を含む5言語でサービスが開始され、国内でも順次展開される予定です 。

利用方法としては、パソコン・スマートフォンのGoogle検索で「AIモード」タブを選択するか、専用URL(google.com/ai)にアクセスします (12) 。またGoogle Search Labs(labs.google.com)で「AIモード」の実験プログラムに参加登録することで、新機能を先行利用できます 。なお、現時点では多くの国で英語版のみの提供ですが、将来的に対応言語は拡大予定です 。

アクセスには条件があります。Google公式ヘルプによると、現在AIモードは個人アカウント(Gmailなど)での利用を想定しており、企業向けGoogle Workspaceアカウントやファミリーリンクで管理された子供アカウントでは制限される場合があります 。また検索履歴を有効にすると中断地点から再開しやすくなりますが(無効時は前回の続きが再開されません) 、これはあくまで利便性向上のための設定です。

料金体系

AIプランのイメージ

AIモードの利用は一部条件付きで、Google One AI Premiumプラン(月額約2,480円 = $19.99)に加入しているユーザーが優先的にアクセスできます 。この有料プランには2TBのストレージやGeminiの先行利用権などが含まれ、AIモード(Gemini 2.5モデルやDeep Search)と連携した強化検索機能が提供されます (13) 。Google Oneにはさらに上位の「AI Pro/Ultra」プランもあり、これらではAIモードの高度機能(強力なモデルや拡張クレジットなど)を利用できます 。ただし、一定期間のβテストを経て、将来的には無償プランでも利用可能になる可能性が示唆されています 。

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強み・メリット

AIモードの最大の利点は、高度で複雑な検索を一度の対話で完結できることです。 に示されるように、複数ステップを要する比較検索や旅行計画などでもAIモードなら一括で答えを得られます。トムズガイドは「AIモードは複雑な問い合わせや探索的な検索で威力を発揮する強力なツールだ」と評価しており 、Gemini 2.5による高度な推論で従来の検索を上回る答えを返します。画像入力を活用すれば、本棚の写真から読みたい本リストを作ったり、食べ物の写真から飲食店を探したりといった創造的な使い方も可能です 。

またGoogleによれば、AI検索機能はユーザーのアクションの質を高める効果も期待できます。公式ブログで「AI Overviews(AI概要)を使うと、複雑な問いでより多様なサイトにアクセスし、訪問先でより長く滞在している傾向がある」と報告されており 、AIモードでも高品質なコンテンツ発見に繋がる可能性があります。つまり、AIモード導入で検索回数が減っても、クリック先サイトでの充実した体験が得られればオンラインエコシステム全体にプラスとなる見方もあります。

その他、フォローアップで検索を続けられるため、特に学習やリサーチ用途に有効です。Gemini内で組み込みのNotebookLMなどとも連携できる設計で、長文作成や集計レポート作成も効率化します。実際、Search Labsの案内では「Gemini 2.5 Proを用いた強化学習ツール」「Deep Searchで数百のサイトを分析した包括レポート」など、AIモードを活用した高度分析が可能になると提示されています 。

課題・注意点

一方、AIモードには注意点もあります。まず検索精度の問題です。Google自身も「常に正答できるとは限らない」と明言しており 、生成AIの特性上、まだ誤情報(幻覚)が混入するリスクがあります 。そのためAIモードでは、確信度の低い回答は従来検索結果にフォールバックする仕組みが組み込まれています 。ユーザーは回答横の評価ボタンでフィードバックを送ることで、GoogleはAIモードの補正を継続的に行います。

また、利用のハードルがあります。現状では設定メニューからLabsを有効にする必要があり、一般的な検索ユーザーには敷居が高い操作です 。さらに、前述の通り多くは英語での提供のため、日本語や各国語では使いにくい状況が続いています 。初期段階のAIツールであることから、検索エンジンに慣れたユーザーには違和感があるという声もあります(例:チャットUIで目的地への最短ルートを探すのはいささか大仰に感じるなど)。今後の改善が望まれるポイントです。

ウェブコンテンツ提供者側への影響も議論になっています。GoogleがAI回答を優先すると、サイト訪問が減少し収益低下につながる懸念があります (14) 。検索結果画面へのクリック減少は実際に一部メディアで懸念されており、政府機関も独占禁止観点で注視しています。しかしGoogleは「AIこそが情報を深く探求させるツールであり、サイトへのクリック率は質が高まっている」という見解も示しています 。業界としては、新たな検索環境に合わせたコンテンツ構造(例えばLLMO※のような手法)への移行が求められています 。

※LLMO(Large Language Model Optimization): 大規模言語モデル検索時代の最適化手法。情報の構造化や出典の明記を強化し、AIが「信頼できる情報」と認識しやすくする対策のこと 。

企業・業界の動向

新しい検索体験に備え、企業やサービス提供者も動いています。たとえば日本のあるデジタルマーケティング企業は、AI検索時代に対応する情報発信最適化ツール『AXiY』を発表しました 。これはSNS・Googleマップ・Webメディアなど複数プラットフォームに一括投稿し、AIに選ばれる「情報構造」や「引用元」を自動で整えるシステムです 。検索エンジン最適化(SEO)だけでなく、マップ最適化(MEO)やLLMO対策を組み合わせた新サービスの登場は、AI時代のビジネスチャンス形成を如実に示しています。また国際的にも、Google Cloud Next 2025では企業が生成AI活用構想を発表するなど、AIと検索・広告の融合が加速しています(※参考:PRTIMES「AI Search」に関する発表一覧 (15))。

考察・まとめ

Google検索のAIモードは、従来のキーワード検索に大きな変革をもたらす試みです。長所としては、複雑な情報を高速に整理して回答してくれる点や対話的な探索が可能な点が挙げられます。最新のGeminiモデルを使った高度な推論力で、チャットボットのように自然言語で答えを導き出してくれます(例えば旅行プラン相談や専門技術の質問など、人間でも時間のかかる問いが解決できる) 。Googleは検索体験を向上させるため常に実験を重ねており、AIモードも検証・改善を繰り返しながら本格導入へ進む見込みです 。また今後は音声AIや他デバイスとの連携も強化され、検索が更に多様化するでしょう。

注意点は精度と慣れです。現状では完璧な回答は期待できず、誤りも含まれます。検索者は常に複数の情報源で確認が必要です 。また検索スタイルが従来とは異なるため、慣れるまでに時間がかかる可能性があります。とくに一発でリンク一覧を見たい場面では、AIモードより通常検索の方が効率的な場合があります 。

総じて、Google AIモードは進化中の実験機能であり、メリット・デメリットを把握した上で徐々に活用していくのが良いでしょう。ユーザーは積極的に新モードを試しつつフィードバックを提供し、Google側は改善を続けていく必要があります。企業側はコンテンツのAI対応策(LLMOなど)を検討し、これまでとは異なる検索ビジネスモデルへの対応を進める時期と言えます。情報収集やマーケティングの手法は大きく変わりましたが、最終的には 「より深く・効率的に情報を得られる」 未来の検索が実現すれば、ツールとしての価値は大いに増すでしょう 。

参考資料: Google公式ブログやヘルプ、報道記事を基に情報を整理しました など。

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