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人材業界における生成AI活用事例【海外】

人材業界における生成AI活用事例【海外】

本記事では、海外の人材業界における生成AI活用事例を紹介しています。製品やツールから社内研修まで、幅広くまとめています。

LinkedIn 「Hiring Assistant」でLinkedIn内人材検索・求人表作成AI

採用担当者向けの、LinkedIn上で採用を支援する「Hiring Assistant」です。

LinkedInで検索した人材のプロフィールと、自身の持つ案件情報から、候補者のマッチを一つずつ算出する機能です。

また、チャットベースで求人の要件を整理し、求人票を作成する機能も存在しています。

Hiring Assistant Profile Check

Hiring Assistant Chatbot

効果: 1職種あたり4時間の削減、プロフィール閲覧数62%減、ダイレクトメール承諾率(InMail承諾率)69%改善

参照記事

(Linkedin Press)Hiring Assistant, LinkedIn’s first AI agent for recruiters, to launch globally in English

Indeed 「Job Descrition Generator (求人表生成AI)」で求人表を生成AIで自動生成

国内の求人表生成AIの試みと多くは変わりませんが、生成AI(Chat GPT)に加え自社の保有する求人表データを利用している点がことなります。

効果: β版の試験で2時間かかっていた平均5秒未満で求人表を生成、求人への応募16%増

参照記事

(Indeed 公式)Attract Great Candidates with Indeed’s AI-Powered Job Description Tool

Workdayの「AIエージェント群」

Workday社は、人事・財務を中心とした統合クラウドを提供する米国IT企業です。

また、Workday Illuminateは同社が提供するAI機能群・AIブランドの総称で、人事や財務の業務フローにAIを組み込む位置づけとなります。今回の取り上げる発表の中心はAI Agentsで、特定業務を自動化・支援する業務特化型AIです。

Workdayは2025年9月、HR・財務・業界別業務向けの新しいAIエージェント群を発表しました。 狙いは、AIを単なる追加機能ではなく、人事評価、要員計画、月次・四半期の決算業務などの中核業務に直接組み込むことです。 この発表で強調される点は、「AIを業務の横で使う」のではなく、「業務フローの中に埋め込む」ことでした。 Workdayは、自社がHRと財務の大量データを持っていることを強みに、AIエージェントをその文脈の中で動かすと説明しています。

具体的には、下記のようなエージェントを発表しています。

人事向けAIエージェント群

  • Business Process Copilot Agent:業務プロセス設定や導入作業を自動化するAI
  • Case Agent:問い合わせ対応などの事務処理を自動化するAI
  • Document Intelligence for Contingent Labor Agent:業務委託契約まわりの文書処理を支援するAI
  • Employee Sentiment Agent:従業員の声を分析し、示唆を出すAI
  • Job Architecture Agent:等級・職務体系の設計や管理を支援するAI
  • Performance Agent:評価関連データを分析し、レビューや推奨を支援するAI

財務向けAIエージェント群

  • Cost & Profitability Agent:配賦や収益性分析の設定を自然言語で支援するAI。
  • Financial Close Agent:決算締め業務を効率化するAI。
  • Financial Test Agent:不正検知やコンプライアンス確認を継続的に支援するAI。

その他、業界特化AIエージェント群

  • Academic Requirements Agent:大学などの履修要件作成を自動化するAI。
  • Student Administration Agent:学生対応や学務の事務処理を支援するAI。

さらに、下記のエージェントについて、Workdayは次のような数値を成果として公表しています。

  • Contract Intelligence Agent:契約実行時間を65%短縮
  • Frontline Agent:人員配置変更の管理時間を最大90%削減
  • Financial Audit Agent:監査証跡収集の自動化で年間最大900時間削減
  • Payroll Agent:コンプライアンス対応を最大4倍高速化
  • Planning Agent:データ探索・分析を30%削減し、月約100時間相当の削減

WorkdayのAI採用エージェントとRandstadの人材ネットワークを統合し、採用の高速化・精度向上

人事・会計の基幹システムで知られるWorkday社と、世界最大級の人材派遣会社Randstad社が提携し、WorkdayのAI採用エージェントとRandstadの人材ネットワークを統合し、採用の高速化・精度向上を実施しました。

具体的には、WorkdayのAIが過去応募者データや人材ネットワークデータを横断的に活用し、採用担当者に「今すぐ当たるべき候補者」を提示する機能のようです。

効果: 2024年、WorkdayのAIが 70万件以上の求人処理し、採用担当者の管理規模を54%向上させたようです。

また、レジュメ選別の工数削減、マッチング精度向上、採用スピードの短縮、コスト削減+候補者体験向上といった採用にかかる様々な側面でも改善が行われたと主張しています。

参照記事

(Randstad 公式) workday and randstad partner to transform hiring with AI.

Healthfirst 社が Workday 人事ツールを導入、「社内の人事データ・財務データを一元化し、AIで人事業務と経理業務を効率化

Healthfirst社は、1,400件以上の職務記述書 (応募書類) から必要スキルを手で整理するのが大変だったため、Workdayというサービスによりスキルを抽出し、、1,400件の職務記述書から3.5万件のスキルを抽出し、700時間分の人手を削減したと報告しています。この際、AIが人を置き換えたというより、人の入力を補強してデータ品質を上げた、と強調しています。

また財務側でも効率化を測っており、同サービスにより、助成金管理や請求書処理を効率化しました。特に大量の請求書データのダウンロード自動化で、監査1回あたり20〜40時間の削減が出たとしています。これにより、担当者が単純作業ではなく分析や確認業務に時間を回せるようになったそうです。

参照記事

(Workday 公式) Innovation enables efficiency and empowers solutions.

業務基盤開発会社ServiceNow社の「人事業務支援AI」

ServiceNow社は、社内業務の申請、問い合わせ、承認、情報共有などの横断的な効率化を支援する業務基盤支援企業です。同社はHR Service Deliveryを紹介しており、人事関連の問い合わせ、手続き、入社対応、休職・退職対応などを、一元化する仕組みを紹介しており、これには生成AIによる要約や応答支援を含むようです。

これにより、導入企業では従業員は自分で必要情報を探しやすくなることで単純な問い合わせは自己解決しやすくしたり、人事部門は問い合わせ処理を標準化、入社・退社・休職・給与・コンプライアンス対応などの手続きの自動化などを可能にしています。

「人が毎回メールやチャットで聞いて、人事が都度さばく」運用を減らし、自己解決と自動処理に寄せられるということですね。これによって、下記のような効果があったと発表しています。

  1. 入社した人が戦力化するまでが早くなった 新入社員の立ち上がりが早くなり、フル生産性に達するまでが2週間短縮されたとしている。これが3年間で930万ドル相当の効果と試算されている。
  2. 従業員側の無駄時間が激減した 人事への問い合わせや手続きで、従業員が調べたり待ったりする時間が減り、累計7.7万時間超の時間削減、金額換算では約110万ドル超の試算
  3. 人事部門そのものの処理工数が減った 問い合わせ対応にかかる時間が、難易度に応じて30〜45%程度短縮され、1.7万時間超の人事工数削減、金額換算では61.5万ドル超の試算
  4. 人事業務の自動化でのコスト削減 入社、退社、給与、休暇、労務、コンプライアンスなどの人事業務を自動化したことで、最大で30%の人事労働効率改善、時間では約8万時間分の余力創出としており、金額換算で800万ドル超の試算
  5. システム統合によるIT・ライセンスの削減 複数の人事システムを一本化したことで、余分なライセンス費用が減り、さらに4,000時間超のIT運用工数も再配置できたとしており、合計で110万ドル超の削減効果がったとしています

参照記事

(ServiceNow 公式) The Total Economic Impact™ Of ServiceNow HR Service Delivery

UKG社による生成AIを用いた給与レポートの効率化

人事・給与・労務管理・企業文化ソリューションを提供する大手プロバイダーUKG社は、給与データのレポート作成と検索業務に生成AIを組み込み、担当者がチャット上で質問するだけで必要な情報を抽出できるようにしたと公表しています。これにより、これまで手作業で行っていた給与データの確認や分析を効率化し、給与部門の業務負荷を減らすことができたと説明しています。

例えば、担当者が「紙の給与明細を受け取っている従業員は誰か」といった質問をするだけで、必要なデータや示唆を取得できるようにたようです。 給与部門に蓄積された大量データの活用を容易にし、レポート作成の迅速化と意思決定支援につなげている。

参照記事

(UKG 公式) UKG to Transform Payroll Reporting with Generative AI

Oracle社の基幹業務クラウドへの生成AI取り組み、財務・人事・顧客対応等で活用

Oracle社は、基幹業務クラウドである「Oracle Fusion Cloud Applications Suite」に生成AIを組み込み、財務、人事、調達、営業、カスタマーサービスなどの業務支援システムを発表しています。とくに注目されるのは、財務領域でのレポート説明文や予測コメントの自動生成、人事領域での候補者向け対話アシスタントや求人マッチング説明、顧客対応領域でのチャット要約などで、従来は人が手作業で行っていた要約・説明・文章作成を業務フローの中で効率化している点にあります。Oracleは、生成AIを単体のチャット機能としてではなく、既存の業務システムに埋め込むことで、生産性向上、意思決定の高度化、顧客・従業員体験の改善を狙う事例として打ち出しました。

参照記事

(Oracle 公式) Oracle Adds New Generative AI Capabilities to Oracle Fusion Cloud Applications Suite

アデコグループの社内生成AI推進の事例

アデコグループは、採用業務や社内業務にAIを導入すると同時に、社員へのAI教育も進めました。採用担当者向けには、候補者の選定やマッチングを支援するAIツールを導入し、業務生産性が最大63%向上したと報告しています。あわせて、求職者向けにはAIで履歴書を作成する機能を提供し、作成件数は20万件に達しました。さらに、社員向けのAI活用研修を3万5,000人超が修了しており、Adeccoは生成AIを単なる業務効率化ツールとして使うだけでなく、社員や求職者が使いこなせるようにする教育まで含めて展開しているようです。

参照事例

(Microsoft) AI and the human advantage: Adecco Group’s AI skilling strategy fuels productivity with Microsoft Copilot

採用管理システムへの生成AI取り込み、初年度離職率が32%低下

Lever社は、採用管理システムに生成AIを組み込み、面接ガイドの作成、面接メモの自動記録、候補者比較、応募者と求人のマッチング支援などを行っています。とくに面接領域では、構造化された面接運営や評価のばらつきの可視化を支援し、Leverは導入企業で初年度離職率が32%低下したと報告しています。採用のスピード向上だけでなく、面接品質や採用精度の改善を訴求する事例になります。

参照事例

(LEVER 公式) Smarter, Faster, Fairer: Lever’s AI Innovations Are Here

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